今月は税務とは、少し離れて「社内の不祥事」について取り上げてみました。
経費の水増し、商品の横流し、売上金の着服など「社内の不祥事」は、まかりまがえると会社の存続をも揺るがす結果ともなりかねません。 普段からチェック体制を確立してつい出来心から不正に走るのを防止する牽制システム作りに心がけたいものです。
1.棚卸資産の不正の流出を防ぐ
- ダブルチェック....棚卸の記録は保管担当者以外の人によって行う
- 差異分析 ......帳簿残高と実地棚卸の結果について、できれば四半期ごとに突き合わせて重要な差異があればその理由を把握する。
- 委託品の管理....販売委託品、倉庫会社寄託品等、社外にて保管されるものについては、帳簿上明確に区分整理しおく。
- 区分処理 ......販売受託品、他社所有の物品で会社が保管するものついて
は、現品を分離貯蔵し、帳簿上も区分整理する。
- 出入許可......倉庫は許可がなければ、保管担当者以外のものが出入りで きないようにする。 自由持ち出しの可能性を排除する。
- 一括計上禁止....受入記帳は納品書によって行う。請求書による一括計上 は簡単だが出入りが把握出来なくなる。
- 物品の売却.....物品の売却は適切な責任者の承認を得て行う。 売却代金が行方不明になることがあるので要注意。
- 適正在庫の把握..適正在庫の把握により、過剰仕入(在庫)、過少在庫が発見しやすい。
- 保管証明の入手..外部保管品については、保管証明も入手する。牽制手段にもなる。
- 抜打ち調査.....ランダムに抜き取り調査を行う。 不正の牽制になる。
2.架空経費の計上による着服を防ぐ
- 架空人件費の排除・・・短期で臨時的なアルバイト代などは現金支給が多い為、水増し支給となり易い。担当一人だけの捺印で支給せず他の社員と同様の手続きがのぞましい。
- 休暇中の出費・・・年休、振替休暇中の交通費の請求等。 交通費支出の理由、事情を調査する。 領収金額の加筆がないか数字の加筆、日付と領収金額との字体が不自然ではないかなどのチェックを行 う。
- 規則性の不連続をチェック・・・一定の規則性をもって計上される費用、例えば手数料などは毎月の規則性の連続をたしかめ、その規則性が破られていないかを調査する。
- 関連費用・・・売買の取引に関連して発生する費用(リベート、贈答、接待など)は、その関連 性を考慮して異常が感じられる取引があれば調査する。
3.ビジネスのちょっとしたマナーの乱れが、大変につながらない様に事前のシグナルともいうべき小変を12程取り上げてみました。あなたの職場は大丈夫でしょうか。
◇@.職場の中で携帯電話による私用通話が多い
◇A. 失敗を一人で隠すようにする
◇B. 報告書を忘れる
◇C. 会社の秘密を友人などにもらすことがある
◇D. 人の代わりにタイムレコーダーを押したりする
◇E. 備品を粗末に扱う
◇F. 会社の事務用品などを私用に使っている
◇G. 男女間でなれなれしい言葉使いをする
◇H. 頬杖など悪い姿勢で仕事をしている
◇I. 返事の仕方がはっきりとしない
◇J. 朝の挨拶をかわさない
◇K. 上司に横柄な態度をとる
以 上
所長のつぶやき
所得税の確定申告事務もいよいよヤマ場をむかえてまいりました。 例年のこととはいえ、そろそろ疲労感がたまつてきていますが、3月の声を聞いただけで
もうすぐ解放されると気分的にはずい分軽いものになってきております。
ところで、″春は名のみの風の冷たさ″というのがまさに実感ですが、暖冬を帳消しにする最近の寒さをまのあたりにして自然のバランス感覚には感心させられます。
日経新聞の2月28日付朝刊「春秋」欄に面白い記事がのっていましたので紹介しておきます。 今年は、ご存知のとおり2月29日があり閏年(うるうどし)ですが、極めてめずらしい閏年とのこと。
というのは、1年の長さは約365日と0.422日で、その端数を精算するために閏年をつくっています。普通は4年に1回閏年にするが、百年に1度は閏年を省く。しかし、四百年に1回は省かずに閏年にする。そして西暦2000年の今年はその四百年に1度の閏年にあたるというのです。
次の四百年後の閏年には地球はどんなになっているのでしょうか。人類はどこまで発展進歩しているのでしょうか。はたまた滅亡してしまっているかもしれませんね。
こんなことを考えていると いま生きていることのありがたみや地球の自然環境を守っていくために自分ができることは何だろうかと前向きな気持ちになってくるのが不思議です。
今月のトピックスでとりあげた課題とはチグハグな感がしなくはありませんが、生きていくということは濁のなかに清を求め、清のなかに濁を覚悟するということのようです。こんなことを書いているのはやはり思考能力が低下している証拠ですが、せいぜい桜の開花宣言を心待ちにしてもうひと頑張りします。 (橋本)
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