4月1日から、官公庁や多くの企業において新年度がスタートすることになります。同時に新たな法制度が実施され、企業経営にも影響を及ぼします。その中でも今回はとくに4月1日からスタートする介護保険制度について取り上げてみました。

 

−介護保険制度とは−

今まで家族に頼ってきた老人介護を社会全体で支援していこうとするものです。これによって利用者は必要に応じて介護サービスを選び、全国一律の基準で公平な介護を利用しやすい形でうけられるようになります。

@運営主体は

各市町村と特別区 (東京23)が運営主体です

A被保険者は

原則として40歳以上の人全員が加入し被保険者となり、次のように区分されます。
「第一号被保険者」
65歳以上の人(医療保険加入の本人・家族に関係なく全員)
「第二号被保険者」
40歳以上65歳未満の医療保険加入者(被扶養者を含む)

B保険料の計算と徴収方法は

「第一号被保険者」
所得に応じた定額制。年金受給者(年間 18万円以上)は年金からの天引きとなり、それ以外の人は市町村が個別に徴収します。なお今年9月までの6カ月間は徴収凍結の予定です。
「第2号被保険者」
原則は健康保険料と同様、標準報酬月額に介護保険料率を掛けた額が介護保険料と して徴収されます。特に給与所得者については、この保険料は、原則的に労使で折半負担となります。そして給与所得者本人負担分を健康保険料とともに毎月給与から天引きし、事業主負担分と合わせて健康保険料と一括して支払います。

C介護サービスを利用するには

まず住んでいる市区町村の窓口に要介護認定の申請をして、要介護などの認定を受けなくてはなりません。なお介護サービスを受ける際、利用者は1割を負担することになります。

*要介護認定申請の受付は、平成 11年10月から各市町村で始まっています。

 

−企業経営への影響−

年度途中の資格取得・喪失の管理事務が増えますし、給与システムの更新が必要となります。また事業主も介護保険料を負担することになり、人件費の増加や給与計算事務等の事務手続きの増加などが予想され、影響は避けられません。

 

−給与・社会保険事務での注意点は−

@ 第2号被保険者の資格を得るのは満40歳の誕生日の前日滿40歳の誕生日の前日が第2号被保険者の資格取得日となり、その資格取得日の月分から介護保険料を負担することになります。

<例:6月30日が誕生日>
資格取得日:6月29日、介護保険料は6月分から負担
<例:7月1日が誕生日>
資格取得日:6月30日、介護保険料は6月分から負担
つまり、社員各人の40歳の誕生日の前日の属する月分から介護保険料の負担が始まりますので、注意が必要です。

A 5月分の給与から控除開始

介護保険がスタートする平成12年4月から介護保険料が発生し、4月分は翌月の5月末 までに納入することになります。
給与からの天引き(控除)は、健康保険料と同様で、4月分を5月に支給する給与から行います。

B 健康保険被保険者本人が40歳未満で、被扶養者が40歳以上の場合は要注意

健康保険被扶養者の介護保険料については、被保険者の保険料に織り込まれていますので、健康保険被扶養者が保険料を直接納めることはありません。ただ健康保険被保険者本人が40歳未満で、被扶養者が40歳以上で第2号被保険者に 該当する場合、特定被保険者として介護保険料を納めなければならないところもありますので、健康保険組合等(政管健保は該当しません)に確認して下さい。


所長のつぶやき

 公園や土手沿いを見まわすと蕾が日に日に含らみ桜前線が通過中であるのが実感できます。
 季節は冬から春に移り変わり、確申期という繁忙期も終り事務所も業務の新年度がスタート致しました。
 最近は
IT(情報技術)関連のニューエコノミーの話題が尽きませんが、オールドエコノミーといわれている地場産業(繊維、鉄工、食品問屋等)がリストラや消費低迷の逆風にさらされながらも着実な前進が見られない限り、景気の春到来とはまいりません。
 商売が上向くための工夫は各社各様でしょうが、社員1人1人が自らの役割や何をすべきかという目標が明確でない限り、計画や業績見通しも絵にかいた餅になってしまいます。

 次に紹介する社訓は 私が企業経営者の研究会で親しくしていただいている建設会社の社訓です。
 通例の社訓とは異なって切り口が新鮮であり、社長の了解を得ましたので転載して皆さんの社訓づくりの参考にしていただければ幸いです。

 

社訓 〜仕事上の心得〜

T.言い訳はしない

人がどうこう、景気がどうこう、天気が悪いからなどという考えは、結局何も結論がでない。自分がどうだったんだ!と振り返ることで物事の真実が見えるものです。謙虚な心です。

U.上司に逆らう社風を

イエスマンは要らない。本気で自分の考えをぶつけることが出来る会社でいい。

V.意見を聴ける人間であれ

自分の考えを伝えたいなら、相手の考えをまず聴く事。正しく聴けるかどうかが大切です。

W.自分が主役

自分の考えで行動する人間になって欲しい。指示待ち人間はいけない。

X.仕事が人生じゃない(仕事人間になるな)

人間ってのは、家庭があって、友達があって、いろいろな関係の中に生きています。人生の一部に仕事があるのであって、仕事の中に己の人生をいれてはいけない。

Y.自らのために一生懸命やる

人のため、会社のためにやっているなんてウソ。社長のためにやっているなんていう人がいたら、辞めていただくしかない。自分のやっていることは、最終的に全て自分に戻ってくることを知っておいて。

Z.やる時はトコトンやる

せっかくご縁があって、毎日集まっているのだから、その時ぐらいは徹底的にやりましょう。 やるときはやって、休むときは休む。メリハリのつけられる人間になりましょう。

 

(所長 橋本)


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