会社や個人事業主が1人でも従業員を採用すると、社会保険への加入が義務づけられています。 ここで加入しなければならない社会保険とは、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険ですが、このうち労災保険と健康保険について今回取り上げてみました。

 

労災保険(労働者災害補償保険)

従業員が勤務中に仕事が原因でケガをしたり死亡した場合、または通勤途上でケガをしたり死亡した場合に適用されるものです。

健康保険

被保険者及び被扶養者が仕事中や通勤途上でない原因でケガや病気をした場合、もしくは出産や死亡した際に保険給付が受けられるものです。つまり業務上及び通勤途上以外のケガや病気などの場合です。
◎「業務上」とは
業務上の災害にされるのは、仕事中に仕事をすることが原因で災害にあったことが条件です。例えば、次のようなケガも業務上の災害となります。
  ・ 出張中のケガ
  ・ 仕事の準備あるいは後始末の際のケガ
  ・ 事業場施設の不備や欠陥によるケガ
  ・ 自社ビル内での転倒や階段からの踏み外し、ドアや机等にぶつけてのケガ
  ・ 業務命令で宴会等に参加した際のケガ(一定の条件が必要)
  ・ 就業時間中の生理的現象(トイレに行くなど)の際のケガ 
◎次のような場合には業務外となります。
  ・ 就労中における私的行為によるケガ(例えば、仕事中に自分で吸うたばこを買いに行くために路上でケガをした場合など)
  ・ 休憩中の私的行為によるケガ
  ・ 天変地異(地震など)によるケガ
◎「通勤途上」とは
通勤とは、法律で「就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復することをいい、業務の性質を有するものを除く。」と規定していますから、会社への出勤途中の災害であったとしても、自宅から出勤していない場合は、通勤災害に該当しないことになります。
<通勤災害となる例>
<通勤災害とならない例>

従って、業務上及び通勤災害については、労災保険が適用され、それ以外は健康保険が適用されることになります。

 一口メモ

会社の代表者及びその家族は、労災保険に加入できない為、業務中にケガ等をした場合は、労災保険はもちろん健康保険も使えません。通勤途上での災害は本来、労災保険が摘要されることになりますが、何らかの理由により労災保険が摘要されない時は、健康保険が摘要されます。




所長のつぶやき

暑中お見舞い申し上げます。

文字通り連日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

8月は夏期休暇を思いきってとり心身のリフレッシュをしたいものです。

とはいえ、寝苦しかったりして疲労もたまりやすく、また、気分もゆるみがちです。

今月のトピックにもありますように、業務や通勤途上でのケガあるいは体調を崩すことのないよう十分に気を付けましょう。

ちなみに、夏ばて防止にむけて次のことを改めて心がけてみましょう。

(1) 朝食を含め規則正しくバランスの良い食事

・消化の良いタンパク質や特に暑い時期に消耗の激しいビタミン類を効果的にとる
・水分補給では極力冷たい飲み物を避ける
・当然のことながら暴飲暴食は避ける

(2) 充分な睡眠

・ぬるめのお風呂にゆっくり入り心身共にリラックスする
・就寝前に寝室を冷やしておき、寝る時には冷房をかけないようにする

(3) 適度な冷房

・室内(温度は28度を基本として)
・屋外との温度差を5〜6度以内にする
・冷房の風を直接身体にあてない

(4) 適度な運動

・少し汗ばむ程度の運動を週4日以上行う…………実際はこれが一番むずかしい。

(所長 橋本)

追伸

少年の凶悪犯罪が続発し、世の中なにかおかしいぞと思わずにいられませんが、逆にすごい人もいるんだということを最近読んだ本で知りました。 新人の女性弁護士大平光代さんです。 タイトルは『だから、あなたも生きぬいて』 [講談社発行]。 中学2年のときにいじめを苦にして自殺を図る。 その後非行に走り、16才で極道の妻となる。 そんな彼女が恩人ともいうべき人に出会って立直り、中卒の学歴というハンディをものともせず、29才で司法試験に一発で合格しています。 『五体不満足』の乙武君とは対極の青春物語ですが、久方ぶりに感動しました。




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