トピックス 「企業組織再編税制」ついて

個人の所得税確定申告も真っ只中ではありますが、皆様はもう御済でしょうか?

今回は、平成13年税制改正の目玉の一つである「企業組織再編税制」を簡単に取り上げてみることにしました。

これは、企業の再編成を容易にするために平成12年に商法が改正されたことにより、これと足並みをそろえる形で税制上の整備が図られるものです。内容としては、会社分割、合併等に際し従来は資産の譲渡があったものとして課税所得が発生しましたが、一定の要件(税制適格要件)を満たすことにより、課税の繰延べが認められるものです。

T.適用要件等

この税制の適用が受けられるのは、組織再編に際して@資産を帳簿価額で引き継ぐ A資産移転の対価として株式以外の金銭等の交付がない、という要件を満たす次の2種類の企業再編です。

  1. 企業グループ内組織再編成

    出資の持分割合が50%を超えるいわゆる親子会社間で行われる組織再編成。但し、持分割合が100%である法人間の再編成の場合以外は、@移転事業に係る「主要な資産・負債」及び「従業員の相当数(分割法人の分割事業に係る従業員の概ね80%)」が移転され、A組織再編後も移転した事業の継続が見込まれることが要件となります。

  2. 共同事業を行うための組織再編成

一つの組織で行おうとする共同事業がそれぞれの法人にとつて「相互に関連性を有する」ものであること、「売上金額、従業員規模等の比率が1対5を超えない(規模が著しく異ならない)」ことなどが要件とされています。また、@独立した事業単位の移転A事業移転の対価として取得した株式を継続して保有、B組織再編後も移転した事業の継続が見込まれることも要件とされています。

U.株主に対する取扱い

旧株主が交付を受ける株式のうちに分割法人や被合併法人の利益を原資とする部分は、本来ならば配当とみなす「みなし配当」の規定が働くところですが、再編時には課税関係が生じないよう課税繰延べの手当がされます。

V.その他

1. 再編の対象となる法人が繰越欠損金を有している場合の繰越欠損金の引継ぎ等について租税回避を防止するための規定が置かれることとなっています。

2. 企業再編成では、会社の商業登記、不動産等の移転登記等が必要になりますが、登録免許税の軽減、不動産取得税、自動車取得税等の地方税も税制上の手当がなされることとなっています。

 

 

所長のつぶやき ……

確定申告も佳境に入っております。 コンピューターがない頃は土・日は勿論のこと事務所で泊まり込みといったこともあったようです。 幸か不幸か橋本事務所は法人主体で個人の事業所得者はそれ程多くないせいか普段の5割増程度といったところです(さすがに土曜日は出勤しますが)。 とはいえ一年のうちで最も忙しい時期であることは事実で、体調不良から風邪などをひかないよう気を引き締めているところです。 よくしたもので、税理士会の会合もこの期間はぱたっと止んでしまいますので、本来の業務に精励することができます。 但し、去る2月23日には、昭和17年に税務代理士法(現行税理士法の前身)が制定されたのにちなんで税理士記念日になっており 地元中村支部をはじめ全国各地で、無料税務相談を中心とした記念行事が取り組まれました。 この記念日のハイライトとして、東京で全国組織の日本税理士会連合会の自前の建物である日本税理士会館が竣工し、その披露パーティーが挙行され小生も参加してまいりました。

全国6万5千人の会員を擁する日税連の殿堂として情報発信と国民納税者の声を国会や政府につなぐ拠点として大いに期待がもてます。 ところで、季節の方はまだまだ寒気が強く景気の方もぱっとしないどころか、せっかく立ち直りかけた日本経済も アメリカ経済の急減速に影響され、足踏みから後退を余儀なくされようとしております。 なにはともあれ自助努力と前向きな意識変革が重要となっております。 こんな折に、読み易く一人一人が自分を見つめ、新しい一歩を踏み出すのに格好の参考書として『チーズは、どこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン著、扶桑社)があります。 100頁足らずの簡単な読み物です。 ビジネス系のベストセラー書ですから既にお読みなっている方も多いかと思いますが、その内容は『新しい方向に進めば新しいチーズ(あなたが本当に求めているもの…例えば仕事、家族、財産、健康etc)が見つかる。』という寓話です。 単純なストーリーで、二匹のネズミと二人の小人がチーズを求めて右往左往するだけの話です。 四者四様の行動をくりかえし読みこなすことによって現在の自分の置かれた状況を直視し、分析し次の行動を促すキッカケをつかもうとするものです。

何事にせよ、そろそろ議論ではなく行動が求められているといえます。





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