トピックス 資金繰りと金融アセスメント法(案)について


例年12月号は、年末調整について載せていました。今年は定率減税も前年と変わらず引き続き実施されること、並びに所得控除額の改正も無いことであり、会社経理の重要ポイントである資金繰りに関することを取り上げてみることにしました。

 資金繰りについて

資金繰りは会社を運営して行くに当たって一番と言っていいほど重要な事項です。いくら営業成績が良くても、当座預金に支払手形や支払小切手を決済するお金が無ければ不渡りになってしまい、挙げ句のはてには「倒産」という最悪の事態を招くとも限りません。 その為には、日頃から資金繰りの管理を行う必要があります。

資金繰りの主なポイント

1.    資金繰り表をこまめに作成し、資金不足にならないようにしましょう。

2.      回収の状況をチェックする。(回収条件の変更や保留はありませんか。)

3.    支出の状況をチェックする。(未決済の小切手などを考慮していますか。)

4.    資金繰り表の予定と実績の管理を行い相違のチェックをしましょう。

5.    売掛金の早期回収に努め、資金の効率化を計りましょう。

6.    棚卸資産も、お金と同じ。 適正在庫に努めましょう。

7.    銀行の休日などを考慮に入れた資金繰りになっていますか。

8.    常に最悪の事態も考えて資金計画をたてましょう。

  以上資金繰りのポイント等を掲げましたが、12月の資金繰りには、年末年始の休日、従業員の賞与等とかく普通月とは違った資金繰りととなりますので十分に気を付けましょう。


さて、話は少し変わりますが、中小企業経営者で構成する、ある団体が「金融アセスメント法」という(あるいはアメリカの地域再投資法のような)法律を制定して金融機関本来の役割を果たして欲しいという請願署名活動を展開していますので、この法案のねらいをここで少し紹介致します。

「金融アセスメント法(案)」とは

1.    金融機関の公共性を維持し、徹底させること。

2.    金融機関と借り手の取引慣行の歪みを是正すること。

3.    現行の裁量型金融行政を利用者参加型金融行政に転換させること。

などを目的としています。


  この法律の中心部分は「都道府県ごとに利用者の代表も参加する地域・中小企業金融活性化評価委員会を設置して、金融機関の評価と格付けを行い公表する。報告書・資料の提出を拒否したり、虚偽の報告をした金融機関に対しては罰金や営業停止を含む行政処分を行う」としています。

  アメリカではすでに各州で20数年前に「地域再投資法」という法律をつくって、預けられたり回収した資金の(仮に)50%はその支店が存在する地域に再投資すること(融資でも、投資でも、寄付でもかまわない)を義務づけて、その地域が経済的に活性化するシステムを構築しています。


詳しい情報は

          http://www.douyukai.or.jp 

以上簡単に御紹介しましたが、詳しい情報を知りたい方は上記へアクセスして下さい。


所長のつぶやき ……

カレンダーも最後の一枚となりました。 師走という声を聞くだけで駆け足の連続だったこの一年もいよいよ第4コーナーからホームストレツチにかかってきた実感がします。
 少し早目ですがこの1年を振り返ってみたいと思います。 まず、本業の税理士業務は、1年間で5件あった税務調査に対してまずまず適切に対応することが出来ました。 全てが申告是認というわけにはいきませんでしたが、調査で指摘された点には今後の記帳や税務判断に参考となる点もあり、前向きな形で処理をすることができたといえます。
幸いなことに顧問先で倒産した企業はありませんでしたが、全体的にきびしい決算を余儀なくされ黒字申告割合は2〜3割に留まっております。
年末から来春にかけて建設、流通関連を中心にリストラ、あるいは倒産が拡がりそうな雲行きですが皆様方に直接あるいは間接にマイナスの連鎖が及ばないよう祈るばかりです。
また、本年7月には『顧問先企業交流集会』を世話人各位の御尽力により企画をしましたところ、50社を超える顧問先、異業種専門家に御参加をいただき、なごやかなうちに御歓談がいただけました。改めて感謝申し上げるとともに来年には、また工夫をこらした交流集会を御案内できたらと考えております。

 さて、もう一方の税理士会の会務ですが、こちらでもいい汗をかくことができました。 6月に副会長に就任したのと相前後して、国際交流活動がにわかに活発になり、3月のドイツ・ミュンヘン税理士会訪問、そして10月には友好協定調印式と重なりましたが、プロジェクトチームのメンバーに支えられ所期の目標をなんとか達成することができました。 その他、公務という形で東京を中心に月2〜3回出張があり、昨年以上の忙しさでしたが、変化に富んでいた分疲れを感じる暇もないくらいでした。
 とはいえ、先月下旬には肩コリがひどくなり、何年ぶりかで接骨院の電気マッサージのお世話になりました。それでも、家族合わせても10万円を超える医療費にはならず、保健財政には貢献する側でいられることの幸せを感じております。

10月には直ぐ上の兄が定年となり傍系会社で第二の人生をスタートしました。 年金と給料を合わせて現状維持か少し下まわる給与水準になっている模様ですが、健康であれば贅沢をしない限りまずまずといったところのようです。
 その点、自由業は定年がなく健康である限りは恵まれた存在といえます。 
  5名の職員共々健康に留意し、年末調整から確定申告期へと続く最繁忙期を元気に乗り切っていきたいと念願しております。

   



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