橋本博孔税務会計事務所

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平成14年7月1日


トピックス 〜実務に役立つ事例集〜

今回は、期中や決算において会計処理をする時に、判断を誤りやすい事例を取り上げました。簡単なコメントの表示になりますので内容については、既報の事務所通信を御参照くださるか、当事務所へお尋ね下さい。

Q1.

決算期末の口座振替日が休日の場合、掛金等の損金算入の可否

A.

中小企業倒産防止共済掛金については未払計上が認められます。

Q2.

固定資産税の取扱いについて

(1)

損金算入時期

A.

原則、賦課決定のあった日の事業年度
納付の開始日又は実際に納付した日の属する年度において処理した場合はその年度

(2)

売買時点での相当額の負担調整と法人税(所得税)・消費税

A.

租税公課の負担調整ではなく売買金額に付加しなければなりません。

Q3.

家賃等の短期前払費用の留意点

A.

3月決算法人で2月中に翌期の1年分(支払い時から1年を超える期間を対象とする対価)を前払しても損金算入は認められません。

Q4.

賃貸マンション・ホテルの備品等の取替費用の判定単位

A.

一部屋(一組として使用されるカ−テン等)単位で10万円、20万円単位を適用すること

Q5.

一括償却資産を除却した場合の損金算入時期

A.

除却時期にとらわれず、3年間で償却しなければなりません。

Q6.

接待を受けるためのタクシ−代の取扱い

A.

接待をするための費用ではないので、交際費処理する必要はありません。

Q7.

一般寄付金損金算入枠を利用した任意債権放棄の取扱い

A.

事実上、債権放棄の損金調整が可能です。

Q8.

役員報酬限度額の余裕枠がある場合に、各役員の支給額を期首まで遡及改訂した場合は役員賞与となる

A.

遡及の必然性がないので認定賞与となり損金算入されません。

Q9.

使用人兼務役員が常務取締役に昇格した直後に支給された賞与の取扱い

A.

使用人分の期間に対応する限り、使用人分賞与として処理されます。

Q10.

たまたま土地の譲渡により課税売上割合が95%を下回った場合の有利な取扱いはないか(消費税)

A.

前年または前3年間の通算課税売上割合のうち低い方によることができます。

Q11.

信販手数料は課税仕入れになるか(消費税)

A.

債権譲渡損たる性格のものであるから非課税になります。

Q12.

(1)免税→課税、(2)課税→免税の変更時期における期首、期末の棚卸資産の消費税・法人税の取扱い

A.(1)

当期の法人税は税込金額、翌期の法人税は税抜金額で処理できます。
当期の消費税は処理不要、翌期において期首(前期末)棚卸資産を課税仕入れとします。

(2)

当期の法人税は税抜金額、翌期の法人税は税込金額で処理します。
当期の消費税計算上課税仕入れから控除しなければなりません。

所長のつぶやき・・・・・・

今年も早いもので半年が過ぎてしまいました。後半も気持ちよくスタ−トしたいものです。それにしてもサッカ−のワ−ルドカップの盛り上がりはすごいの一言です。日本は決勝ト−ナメントに進出したものの(これ自体画期的ですが)、第1回戦で敗退しましたが、共催国の韓国が驚異的に勝ち進んでいます(惜しくも決勝戦進出までは至りませんでしたが)。

本来ならばこの事務所通信も、6月30日(日)の決勝戦の結果を踏まえて書きたいのですが、ままなりません。というのも、6月30日の早朝に名古屋空港を飛びたち、昨年10月に名古屋税理士会と友好協定を締結したドイツ・ミュンヘン税理士会を答礼訪問しており日本にいないからです(従って7月7日までは事務所を留守にしますのでよろしくお願いいたします)。

今回は税理士会の他に、ドイツ連邦財政裁判所(ドイツは日本と違って税務訴訟を専門に扱う財政裁判所というのがあります)バイエルン州財務省や税務署、税理士法人を訪問し、日本の税務行政や税務の実務と比較対照しながら、真面目(!)に研修してきます。

というのも、これまでの経緯から小生が訪問団の副団長として参加しますので、あまり観光気分にひたってばかりはいられません。

それから今年後半の小生にとってもう一つ大きな課題になりそうなのが成年後見制度問題への取り組みです。日本税理士会連合会でもやっと重い腰を上げ、小生も委員となっている公益的業務対策特別委員会をたちあげ、指導者研修をはじめ、会としての組織作りや普及推進活動を本格化させようとしております。

6月23日の日経新聞でも成年後見制度に関する特集号が組まれていました。その内容は、高齢者を守れない後見制度の空白に警鐘を鳴らしているものです。

「痴呆がはじまった高齢者を狙った犯罪が後を絶たない。判断力の衰えた高齢者に代わり、第三者が財産管理や契約などをする成年後見制度が2年前に始まったが、あまり効果を上げていない」といらだちが隠せない記事となっています。

被後見人の費用負担の軽減策とともに、後見人の担い手が決定的に不足しているといえます。全国6万余の税理士が数人を担当するようになれば10万人単位で援助が可能となるわけであり、制度の定着に向けた地道な努力が求められているといえます。

(所長 橋本 :6月29日 記)



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