橋本博孔税務会計事務所

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平成14年9月1日


トピックス 〜実務に役立つ事例集パ−トIII〜

前回に引き続き、実務に役立つ事例のうち今回は、福利厚生関係を取り上げました。簡単なコメントの表示になりますので内容については、既報の事務所通信を御参照くださるか、当事務所へお尋ね下さい。

Q1.

従業員に資金を融資しましたが、利息はどの様にしたらよいでしょうか。

A.

従業員に対して社内融資をする場合は、通常の利息の徴収が必要で、これをしないと原則として給与課税を受けることになります。

(通常利息相当額)
1.会社が銀行等から借入れし、又貸ししたもの・・・・・その借入金の利息
2.上記以外のもの・・・・・・・・・・・・・・前年11月30日公定歩合+年4%

Q2.

従業員に対して住宅資金の低利融資制度を行いたいが、税務上の取り扱いはどの様になっていますか。

A.

会社が従業員の住宅取得のために資金を低利で貸し付けたとしても、年1%以上の利息を徴収していれば従業員に対して給与課税されることありません。

Q3.

当社では、海外への慰安旅行を検討していますが、その取り扱いはどの様になりますか。

A.

社会通念上、一般に行われていると認められる慰安旅行の費用を負担した場合は、原則として、その費用は福利厚生費として損金の額に算入されます。

そのためには、原則として、以下の3要件を満たさなければなりません。
1.旅行の期間が現地4泊5日以内。
2.参加する従業員が全従業員の50%以上。
3.その旅行により受ける経済的利益があまり多額(一説には10万円といわれていますが‥‥)でないこと。

Q4.

同業者団体が主催する海外視察旅行に参加します。その費用の取扱いはどの様になりますでしょうか。

A.

一般論として、その視察旅行に通常要する費用の額に損金算入割合(業務従事割合等)を乗じた金額を「旅費」、それ以外(例えば観光費用)を「給与」として処理します。

Q5.

会社契約で概ね全従業員を対象とした生命保険(養老保険、終身保険)に加入しました。税務上の取扱いは、どの様になりますでしょうか。

A.

受取人 法人の経理処理
生存保険金 死亡保険金
法人 法人 全額資産計上 (1)
法人 遺族 1/2損金計上,1/2資産計上 (2)
尚、(2)のケースでも特定の従業員や、大部分が同族関係者である会社は、福利厚生費という単純な損金処理とはならないので、十分に注意して下さい。

Q6.

会社の営業成績向上のため報奨金制度を設けました。報奨金の税務処理は、どの様になりますでしょうか。

A.

従業員に対する報奨金は原則、給与(賞与)として取扱います。







所長のつぶやき・・・・・・

  

長い夏休みも終わりました。

もっとも小生も含めて世の親達は、自分のためにどれだけ連続休暇がとれたか心許ない限りですが。

とはいえ、会社側も徐々にではありますが、ワークシェアリングという意識程でもないでしょうが、社員に対してまとまった休暇をとりやすく配慮しつつあります。 我々も自分らしい自分にあったリフレッシュ休暇の取り方、過ごし方に早く習熟していく必要がありますね。

日中はまだまだ残暑がきびしいですが、日が沈むと、どこに潜んでいたのかびっくりする程多くの虫の音がアミ戸越しに聞こえてきます。

少し仕事が一段落すると(本当はカッコよく、ワイングラスを片手にしたいのですが)読書でもしてみようかという気分になります。

「郷に入れば郷に入る」といってしまえばそれまでですが、夏の蒸し暑さも含め、季節の微妙な移ろいが味わえる日本で生まれ育ったことの幸せ(!?)みたいなものを感じる今日この頃です。

ところで、今さらと笑われるかもしれませんが、このお盆前後に、浅田次郎著『日輪の遺産』を読みました。

最初の刊行が平成4年の秋ということで、10年も前のバブル崩壊直後でしたからここでご紹介するのもおこがましい限りですが、終戦記念日の8月15日近辺にて一読する価値はいまでも十分にあると思われます。

僕より4才若いほぼ同世代の著者にして言わせるならば、「正直のところ、戦争を材に用いるには勇気が要った。・・・・・戦(争)は罪禍である。しかしおのれがその罪禍のただなかに青春を過ごした父母の血を享けていると認識し直したとき、私は戦(争)を書かねばならないと思った」と述べております。

次いでに解説者のキャッチコピーを援用しておきます。「・・・・・本書は(時価200兆円ともいわれるとんでもない)宝探しの形を取りながらも、その本質は(極限の)人間ドラマである。・・・・我々が物欲に駆られ忘れかけていたもの、失いかけていたものを魂に語りかけることで思い出させてくれる」と。 <注.( )は橋本が加筆>

高度成長の昂揚の後、振り子が反対側まで思いきり後退して必要以上に畏縮してしまっている昨今の世相にあって、もう一度人間の原点、生きることの意味をほんの束の間でしたが考えさせてくれました。

ともあれ、9月がスタートしました。実りの秋を確実にするため、夏バテを乗り越え成果の実現をめざして、着実な努力をしていきたいものです。

(所長 橋本)

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