トピックス 〜実務に役立つ事例集パ−トV〜
前回に引き続き、実務に役立つ事例のうち今回は、寄付金、役員の認定賞与関係を取り上げました。簡単なコメントの表示になりますので詳しい内容については、内容については、既報の事務所通信を御参照くださるか、当事務所へお尋ね下さい。
Q1.
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寄付金について簡単に説明して下さい
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A.
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法人税法上、寄附金とは、寄付金、拠出金、見舞金をその他のいずれの名義をもってするかを問わず、内国法人が次の贈与又は供与をした場合におけるその額又は価額によるものとされます。但し、広告宣伝費及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるべきものは除かれます。
金銭の贈与 |
その金銭の額 |
金銭以外の資産を贈与 |
贈与時における資産の時価 |
経済的な利益の無償の供与 |
供与時の時価 |
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Q2.
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では、法人税法上、損金となる限度額はいくらまでですか
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A.
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一般の会社の寄付金における損金算入限度額は、次の計算によります。
〔 (T) + (U) 〕 ÷ 2
(T) = (期末資本金等の額×当期の月数÷12×2.5÷1,000)
(U) = (当期の寄付金支出前の所得金額×2.5÷100)
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Q3.
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共同募金などの、寄付金は、どの様な扱いになるのでしょうか。
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A.
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原則として、問い2により計算した額を越える部分は、損金不算入となりますが、特定の寄付金については、その支出先によって損金算入に特例が、設けられています。
国又は地方公共団体に対する寄付金 |
全額損金算入 |
財務大臣が指定する寄付金 (指定寄付金) |
全額損金算入 |
特定公益法人等に対する寄付金 |
損金算入限度額まで損金 (一般の寄付金とは別枠で損金算入) |
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Q4.
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社長の出身校の後援会より記念行事に対する寄付金の依頼がありましたが、どの様な経理処理となりますでしょうか。 当社と学校のつながりは特に有りません。
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A.
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法人が支出した寄付金の内、その法人の役員等が個人として負担すべきものであると認められるものは、その負担すべき者に対して法人が給与を支給したものとして取り扱われます。
よって、その寄付金に相当する金額は社長に対する臨時的給与、即ち役員賞与として取り扱われます。 |
Q5.
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当社は、社長がライオンズクラブに入会する事になり、入会金や会費等を会社負担する事になりました。入会金や会費等の経理処理は、どの様に取り扱われるのでしょうか。
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A.
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(1)入会金または経常会費として負担した金額については、その支出をした日の属する事業年度の交際費とする。
(2)(1)以外に負担した金額については、その支出の目的に応じて寄付金または交際費とする。但し、個人が負担すべきものであると認められる場合には、その負担した金額に相当する金額は、その者に対する給与(役員賞与)とする。 |
所長のつぶやき・・・・・・
紅葉前線が急ピッチで南下しています。
先月末には急な冷え込みで、あわててストーブを出してきました。暖冬予報が出ておりますが、山間部では初雪の便りも間もなくくることでしょう。季節はまさに晩秋へと進んでいます。
ところで、中小企業をめぐる経済環境も、しばらくは小康状態だったのが、政府のデフレ対策の本格化、銀行の不良債権に対する直接償却の圧力等により、これから倒産がらみのニュースが一挙に増加しそうで、いやなムードが高まってきております。デフレと過剰債務のいたちごっこの中、ややもすると、暗い雰囲気になりがちですが、自助努力を前提に、少し目先を変えて、気持ちの持ち方について考えてみたいと思います。
税制研究会の勉強仲間である弁護士の伊藤邦彦先生から先月いただいた事務所報のコラムに「我が意を得たり」というべき文章がのっていましたので、ご紹介させていただきます。
『運』についてです。
(1)「愚痴」、「不平」、「不満」をいう人は運が逃げてしまう。
(2)「明るく」、「にっこり」している人の所へ運はやってくる。
(3)自らを「強運」の持ち主だと言い切る人のところに知らぬうちに運がやってきてくれている。
運の流れは河の流れのように巡りやってくる。それを思切ってつかむ「気力」も、 もう一つ必要かもしれない。
皆さんはどんな感じでこの寸評を受けとめますか。
自分にあてはめますと、そういわれれば、小生はだいたいいつも「明るく」、「にっこり」しています。 生来、楽観的でしたし、「ラッキー」と感じることが多く、人には「運も実力のうち」と煙幕を張ることもしばしばです。そこで、とっておきの「運」の良さを告白します。
それは、忘れもしない30年前の最初の税理士試験のことです。所得税の理論問題で、直前の受験雑誌に出ていた予想問題がまさにズバリ、本番の試験に出題されていました。
あの時程、「ラッキー!」と心の中で快哉をさけんだことはありません。結果はもちろんいただきでした。 この幸運なスタートが小生が税理士になるキッカケとなり、まさに目の前にある「運」をつかみとったといえます。
今月は(もかもしれませんが)ヨタ話になってしまいましたが、落ち込んだときの一服の清涼剤としてお聞き流してくだされば幸いです。
(所長 橋本)
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