橋本博孔税務会計事務所

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平成15年9月1日


トピックス 〜宅地評価〜

国税庁は8月1日、全国の国税局、税務署において、平成15年分の路線価図及び評価倍率表を公表しました。同日に国税庁ホームページでも公表されています。全国標準宅地の評価基準額の平均額は11年連続の下落となったようです。
そこで、今回は、路線価方式における宅地評価の計算方法の基礎を学習したいと思います。


(1)評価の単位


 宅地の評価は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地)ごとに評価します。従って「1画地の宅地」は、必ずしも1筆の宅地からなるとは限らず、2筆以上の宅地からなる場合もあり、1筆の宅地が2画地以上の宅地として利用されている場合には、それぞれの利用状況が異なりますのでその利用単位ごとに評価することになります。



(2)評価の方式


宅地の評価の方式には、路線価方式と倍率方式があります。
市街地的形態を形成する地域にある宅地については、原則として路線価を基として評価し、その他の地域にある宅地については、固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて評価する事になっています。



(3)路線価方式による評価の計算


〔計算例〕普通商業・併用住宅地区における計算例


一方のみに接する路線がある宅地と、正面と側方に路線がある宅地(角地)は、一方のみが路線に接する宅地より利用価値が高いと考えられますから、一定の計算により加算して1uあたりの価額を計算します。このため同じ面積、形状の宅地でも利用価値が高いと考えられるものには、加算し、反対に低いと考えられもの(崖地、盲地等)は減算する措置が講じられています。



宅地評価する場合の事前調査

@ 登記簿謄本、固定資産税評価証明にて、所有者、面積、評価額の確認。
A 宅地の場所を路線価図で特定する。
B 宅地の形状(間口、奥行)を、地積図、現地などで確認。
C 利用状況の把握(自用地、貸宅地、貸家建付地など)。
D 不整形地の有無。





所長のつぶやき・・・・・・

 残暑お見舞い申し上げます。


今年の夏はこの言葉を使うことなく終わってしまうのではないかと内心、心配(?)しておりましたが、お盆明けには30度を超える真夏日が連続し、妙にほっとしてしまいました。とはいえ、冷夏のため業種によってはかなりダメージを受けているようです。エアコンを中心とした家電業界、ビール等の飲料関係も苦戦を余儀なくされました。また太平洋側の 東北地方を中心としてお米の作況指数がここ10年来のきびしい数値になっております。


しかしながら他方では、日本経済の先行きを占う鉄鋼をはじめとする各種の素材商品市況が強含みで推移しており、パソコンや携帯電話関連では前年比二ケタ増の売上が新聞雑誌をにぎわしております。まだら模様ながら、さしものデフレ不況もそろそろ大底を打った感がしてなりません。


先日訪問した顧問先でも、単価については依然としてきびしい要求が出されておりますが、モデルチェンジした自動車用の部品や衛生陶器といった住宅関連産業における発注数量が一挙に増えており、機械設備の増強、生産ラインの確保といった前向きの悩みを聞くことに相成りました。


実際のところ、大半の経済評論家は、今年の春頃まで、夏以降景気は更に悪化すると予測しておりました。しかしながらその間にイラク戦争、SARS問題など悪材料には事欠きませんでしたが、実態経済は着実に前進しており、現実の経済は学者の理論展開通りにいくことはないとう典型を見る思いです。


異説ですが、来年度に実施される新札(1万円、5千円、千円)発行を見越してアングラマネー(一説には50兆円とも)の一部が動き出していること。なにはともあれ、日本人の個人金融資産1400兆円を効果的に消費経済に振り向けられれば、日本経済ももっと足腰の強い回復軌道に乗せることが可能でしょう。


話は変わりますが、先月26日に東京地裁で、海外の親会社から付与されたストックオプション(株式購入権)による利益について、いづれの所得(税負担の軽い一時所得か給与所得か)に帰属するかで画期的な判決がありました。ストックオプションには縁のない小生にとっても、この判決が、明快な論理により、国税局の敗訴を導き出したことは新鮮でした。


納税者の素朴な感情である、「外国親会社のストックオプションによって得られる利益は偶発的、一時的な経済的利益で労務の対価たる給与にはならない」という主張に軍配をあげたものです。やはり、「おかしい」「納得がいかない」という時には泣き寝入りせず正々堂々と裁判によって真を問うというスタンスの重要性を改めて認識した次第です。もっとも、東京国税局のコメントが「主張が認められず残念。控訴することになると思う」ということですから、まだまだ最終決着には時間がかかりそうです。


〈追伸 〉 8月の日本税理士会連合会人事の結果、常務理事・広報部長を拝命することになりました。東京へ行く回数が増え、事務所を留守にすることが多くなります。
健康に留意しつつ夜なべ仕事に精を出しますので、時には差入れ!でもしていただけたら幸いです。

(所長 橋本)   

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