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天然シボについて

しぼ【皺】とは
糸の縒(よ)り具合で、織物の表面に現れる凹凸。また、紙や皮革などの表面につけたしわ。 烏帽子(えぼし)の表面につけたしわ。
以下、ゴム金型とは関係ありませんが 床柱の天然シボについて載せました。
【日本建築の手わざ「数奇屋の職人」】監修者 伊藤ていじ 発行人 下中直人 から抜粋させていただきました。
京都の北山丸太について語っておられる部分から 天然シボを見てみます。
井上:我々がみたら若干これはしぼりが出るはだしていると。
これは出ないとわかりますけど、これは学究的に理論的にこういうものが
しぼりが出ますということが表現しにくいですよ。
もうね、ようするに勘ですね。長年の経験からわり出してですね、これはこのへっこんだ所に
割れ目があるから多分しぼりがあるぐらいの推定だけですわ。略
萩原:今はもう出シボとか天然シボとかは非常に少ないわけですね。
※出シボ=絞り丸太において突出部の大きく深いものをいう。狭く不規則なものは、しでしぼという。
井上:出シボはね、まだこれから続きます。そうとうね。
さし木を山に植えこんで、相当な埋蔵量持っていますから、永久に続きます。
天然シボというのは、しぼりの出るというのは50年以下の土地で全然出ないんですわ。
普通、人造シボでしたら20年〜25年、平均水準25年で金になるんです。
それでしぼりの出るという年数は3倍かかります。
7、80年たたなんだら、しぼりが入らないわけです。
ようするにやせ地ですね、そんなところに7、80年でね。
先代の昔はまあもったいないからいって1つ植えましたが今日まで
そんな所に杉苗を植えてしぼりつくるよりね、もう檜かなにか植えて
尺にぐらいの木にして売った方が採算的にもね、いいですよ。
※人造シボ:杉の立木に竹や細いプラスチックなどの型を当て針金で巻き成長させ、
縦皺を人工的に作った材。
井上格三郎(いのうえかくさぶろう)明治21年〜昭和52年。10歳より中喜材木店(京都市)へ
丁稚奉公。その後、叔父(井上松之助)の経営する材木店(材松)へ番頭として入り、
銘木について修業を重ねる。明治42年、磨丸太の製造を開始し、現在の北山銘木店の基礎をつくる。
萩原得司(はぎわらとくじ)大正15年生まれ。早稲田大学文学部文学系大学院修了。フリーの編集者。