画期的なダイオキシン分析法

 

アメリカ環境保護庁(EPA)公定法のダイオキシン類分析法EPA4425法

P450ヒトリポーター遺伝子システムを使用

土壌汚染防止法とともに出番がやってきました!


 

Human Reporter Gene System(ヒトリポーター遺伝子システム、略してHRGS)を皆様にご紹介できるのを大変うれしく思っています。現在、米国環境保護庁が採用した新しい試験法EPA4425として知られています。EPA4425法はダイオキシン、ポリ塩化ビフェニール略してPCB,多核芳香族炭化水素略してPAHに対する新しい分析方法です。

 

ダイオキシン等の検査は高コストで一般のレベルでは検査をすることが難しいのが現状です。しかしこのEPA4425法を使えば簡単に検査をすることができるだけでなく短期間で計測ができます。ダイオキシンの有無が分からない状態で高価な検査をする無駄が省けます。

 

EPA4425法の従来の方法と比較した明らかなメリットは?

 

まずコストが2分の1から10分の1程度削減できます。

測定に要する時間が2分の1から4分の1程度短縮されます。

さらに検出限界が、これらの発ガン性物質に対してほとんど従来の化学分析法と同等の感度が得られます。

最後にもうひとつ4425法は生物学的アッセイ法なので、これらの発ガン物質に人間の細胞が直接応答してこれらの物質の存在の指標となっていることです。

 

P450ヒトリポーター遺伝子システムとは?

 

人間やその他の脊椎動物はその細胞核中にCYP1A1というような特別な遺伝子を持っています。細胞がダイオキシン、PCB,PAHのような発ガン性物質に曝されますとこの遺伝子がp450と呼ばれる酵素を生成します。

4425法であるp450HRGS法はヒトの細胞系がこれらの発ガン性物質に暴露されて生ずるp450の量を測定するために開発されました。

一旦CYP1A1遺伝子が活性化あるいは誘発されるとp450を発生しその量は発ガン性物質と直接比例します。

 

この方法の新たな試みはヒトの特殊細胞をホタルの細胞の一部と融合させて使用していることにあります。結果として測定に使用した細胞がこれらの発ガン性物質により活性化されてp450と発光酵素であるルシフェラーゼの両方を生成します。

本法ではまず環境サンプルを標準の化学的抽出法により作成をします。抽出物は特殊な細胞系に導入されて活性化または誘発過程が始まります。

細胞系はP450やルシフェラーゼを生ずることによりダイオキシン、PCB,PAHの存在に応答します。

 

ルシフェラーゼにより生ずる発光量をルミノメーターで測定し、その値は発ガン性物質の濃度に対応します。抽出したサンプルを細胞に加えることにより活性化反応が始まります。このサンプルの細胞内への暴露は最大で16時間続き、細胞が発ガン性物質に応答しP450とルシフェラーゼを生じます。サンプルの細胞への暴露が終了すると、細胞は溶解されて、その溶解物を遠心分離器にかけて不要な細胞物質を分離除去します。

分離除去された細胞の上澄み液を96箇所のウエルプレートに分注し分析の最終段階に入ります。

96箇所のウエルプレートをルミノメーター内に入れて目盛りを読みます。その値は細胞のアウトプットを相対発光量として表したものです。

このルミノメーターの値は、さらに毒性値あるいはサンプル中の発ガン性物質の量に変換されます。

 

基本的には、この方法は環境サンプル中のダイオキシン、PCB、PAHの検出用スクリーニングツールであり、他の分析化学法と併用することを目的としています。

また特定なサンプルについて一旦化学分析法の結果と本法の結果を検定しておくと次に測定を予定しているサンプルの90%近くまで化学分析法に代わってこのEPA4425法を利用できます。本法は土、堆積物、生体組織、水、各種の製品ならびに廃棄物をはじめとする殆どの環境媒体からのサンプルを測定できます。

 

EPA4425法を効果的に利用できる具体的な用途を挙げました。

 

第一にホットスポットにおけるダイオキシン、PCB,PAHのスクリーニングに有用です。

次に汚染された区域でのクリーニング活動や改善運動を指導するのにも役立ちます。

汚染されていて改善の余地ありとされた地域でのクリーニング活動終了後の監視にも役立ちます。

また魚や非脊椎動物の組織内に発ガン物質が存在しているかを判定するのにも利用されます。

特別に許可のいるダイオキシン、PCB,PAHに対するモニター要項を満たすためにも利用されます。

固い廃棄物や危険な廃棄物などの汚染状況の報告を行うときにも有用です。

これらの発ガン性物質が残留していないか、製品の品質管理をモニターするときのも重要です。安心を売る業界に最適です。

工場跡地、分譲予定地、再開発の際の調査に使用できます。

迅速な検査が要求される場合、特に有効です。

 

従来の方法と比較した場合のEPA4425法のメリットは以下です。

 

従来の方法と同等な検出限界で行うことができる。

コストが安いです。従来の化学分析方法に比べてコストが格段に安いです。

3種の化合物について一挙に測定ができます。従来の方法では3回別々に測定しなければいけませんでした。

従来の方法に比べて所要時間が短いです。EPA4425法の場合、通常7日未満であるのに対して化学分析方法では14−28日かかっています。

 

安い、速い、正確を実現!

 

EPA4425法に置き換えた場合のコスト削減は非常に明らかであり、最近のサンプル測定の結果、実際のプロジェクト分析のトータルコストが50%以上も削減されていました。また測定結果が早く得られることはプロジェクトの決定やスケジュールの設定を迅速に進めることができます。

 

まとめ

 

ここで今までの説明を要約させていただきます。このP450ヒトリポーター遺伝子システムを利用した新たなEPA4425法は環境中の発ガン性物質を測定するのに明らかに従来法より優れており、皆様に以下のようなメリットをもたらしてくれます。

 

大幅なコスト削減

所要時間の短縮

化学分析法と同等な検出限界

実際の人間の細胞の応答を指標としている

 

ダイオキシン、PCB,PAHに関心をお持ちの皆様にとって、この新たなEPA4425法は大いにメリットのある測定方法になります。

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Original: 2002-March-12; updated: 2004-May-10; (C) 2002 by Meitoh Kasei Co., Ltd.名東化製株式会社,all rights reserved.
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