橋本博孔税務会計事務所

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平成21年9月1日



 トピックス 〜事業用資産の買換の特例制度について〜



 平成21年度税制改正で「平成21年及び平成22年中に土地等(借地権を含む)の先行取得をした場合の課税の特例」が創設されました。


 この制度は、将来土地を譲渡した際に譲渡益を80〜60%圧縮する制度です。


 今月は、この特例を取り上げました。


尚、ご質問等は幣事務所へお気軽にお寄せ下さい。




 1.内容

 

 平成21年1月1日から平成22年12月31日までの期間に国内にある土地等を取得し、その取得の日の属する年の翌年以降10年以内にその者が所有する他の事業用(貸付用を含む)の土地等を譲渡して譲渡益が発生した場合、その譲渡益から下記1)、2)の内いずれか少ない金額を控除(圧縮)して課税の繰延べを行うという制度です。


  1) 譲渡した土地等の譲渡益×80%(又は60%)

  2) 先行取得した土地等の取得価額



  圧縮割合
   平成21年中の取得・・・・・80%
   平成22年中の取得・・・・・60%(但し、平成21年にも圧縮対象となる土地等を取得している場合は80%)


 
 2.適用要件

 

 先行取得する土地等

  居住の用・事業用など、棚卸資産以外ならば全てOK

 譲渡する土地等

   利用形態・・・事業用又は貸付用(譲渡時点で判定する)に限られる。

   所有期間・・・制限無し。



 3.適用除外

 

  (1)譲渡する土地等が棚卸資産である場合及び事業用資産でない場合は、本特例の対象とはなりません。


  (2)配偶者及び特別の関係がある者からの取得や相続・遺贈・贈与・交換、所有権移転外リース取引などによる取得は、本特例の適用は受けられません。


  (3)この特例制度を適用する場合、譲渡する土地等について、長期譲渡所得の1000万円の特別控除、特定事業用資産の買換特例、優良住宅地造成等の土地譲渡特例、その他の譲渡特例と重複して適用を受けることはできません。


 
 4.申告要件

 

 この規定の適用を受けるためにはその先行して取得した土地等について、取得した翌年の3月15日(法人の場合はその取得の日を含む事業年度の確定申告書の提出期限)までにこの規定の適用を受ける旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。但し、届出書を提出したからといって、何がなんでも譲渡しなければならないことはありません。また、これ以外の特例を選択して譲渡することも当然に可能です。






所長のつぶやき・・・・・・


 残暑お見舞い申し上げます。


 日中はまだまだこの時候の挨拶も説得力があります。とはいえ、我家の周囲には赤とんぼ(秋茜ともいいます)が飛んでいます。山から次第に里へと秋を運んできているようです。日が暮れて夜になれば、虫の音が意外にたくましく我が世の春(?)ならぬ本格的な秋到来に向けた前奏曲を奏でてくれています。日本の四季の移り変わりは色、音、匂い等々と巧まざる演出によって日本人の感性に働きかけてくれます。今月は日本と日本人を再認識するに最適な月かもしれません。


 さて、政治の方の季節はいかがでしょうか。真夏から一挙に真冬への激変ぶりです(とりわけ与党にとっては)。4年前の郵政選挙と完全に裏返しの様相を呈しております。かつての中選挙区制度ではおよそありえない、ドラスチックな政界勢力の変化が現実となっております。もっとも、民主党の最高幹部にはかつての自民党の流れをくむ保守勢力も相当多数占めており、終戦直後の社会党政権とはかなり肌合いの違った政権交代ではあります。アメリカやイギリスのような二大(保守)政党政治に収れんしていくのか、社会民主的な政権が樹立できるのか注視していきたいと思います。


 また、今こそ民主党のマニフェストを改めてじっくりと検討する必要があります。そして、今後は財源問題が避けて通れません。短期、中期、長期と政策実現の段取りと現行の官僚制度の抜本的な改変と財政構造の徹底的な見直しをいかにタイムリーに実現させていくのかが大きなテーマとなってくることでしょう。


 財源問題の最重要課題として、当然のことながら現行税制の構造改革も喫緊の課題になってきております。今秋の、来年度に向けた税制改正の動向は昨年までとはかなり様子が変わると思われます。まずはなんといっても、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入、いわゆるオーナー課税については、即刻廃止を実現させてもらいたいものです。実際の弊害(課税強化)以上に、本来の税制のあり方からして、正当性のかけらもない筋の通らない税法は一日も早く退場してもらわなければなりません。


  今回の民主党の圧勝は細川連立政権のような脆弱な連立政権ではなく、来年確実に行われる参議院選挙で安定的勢力を確保できれば、少なくとも向こう4年間は本格的な政権を維持することができます。まさに「勝って兜の緒を締めよ」を地でいくことを切望する次第です。マニフェストのうち、すみやかに取組めるもの、時間をかけて実現するもの、当分無理なものは潔く謝罪して撤回するというメリハリの効いた政策実現の工程表を練り上げていただきたいものです。それというのも、最近のマスコミ等の報道では、失業率は最悪のペースを更新中であり、景気回復の起爆剤たる個人消費や設備投資は最悪期を脱したものの、ヘタをすると二番底、三番底の悪夢も再来しかねません。年金、医療等の不安、不透明さも払拭されていません。


 オバマ大統領ではありませんが、日本中を覆っている閉塞感を取り除いてほしいという“チェンジ”の気分がここまで民主党を押し上げたのですから、民主党政権には死に物狂いになって、改革、改善のピッチをあげていただく他ありません。






 <和奏(わかな)通信>


 夏休み。和奏は娘夫婦に連れられ北海道旅行を満喫したようです。じゃがいも掘りやアイスクリーム作りなどに挑戦し、新鮮でおいしい野菜をもりもりと食べたとのこと。和奏は野菜嫌いだっただけにこの企画はグッドタイミングでした。旅先では緊張していたせいか便秘気味だったのも、我が家に到着したとたん便意をもよおし、すっきり!してめでたしめでたしでした。感動した体験は心のどこかに楽しい記憶としてインプットされていることでしょう。



(平成21年9月1日 所長 橋本)   





                  



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