橋本博孔税務会計事務所

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平成21年10月1日



 トピックス 〜消費税の誤りやすい事例紹介〜



 今回は、消費税の取扱いで誤りやすい事例を紹介したいと思います。


尚、ご質問等は幣事務所へお気軽にお寄せ下さい。




 (事例 1)

 

  事業用兼家事用として購入する自動車の取扱いについて


 
個人事業主Aが、主に事業の用に供するために自動車を購入し、その支払対価全額を車両運搬具に計上し、減価償却の計算では、事業専用割合に応じた金額をその年の必要経費として、所得税の申告をしている場合に取得時の課税仕入として、支払対価全額を課税仕入れとした。又、その後の売却時には、全額を課税売上とした。


 
 (答)

 

 使用割合等、合理的な基準により按分計算した家事使用部分は課税仕入れに該当しない。

 また、売却時は事業供用部分が課税資産の譲渡となる(消基通10-1-19)



 (事例 2)  

 

 
個人事業主Bは、平成19年1月に事業を廃止し廃業届を提出した。但し、以前より自宅隣りの空地に周りをフェンスで囲み、敷地をアスファルト舗装し、白線で区画して5台分の駐車場の貸付を行っていた。尚、この収入金額等は、不動産所得として申告している。


 平成21年8月に、以前事業を行っていた跡地に、新しいビルを建設してビル賃貸業を開始し平成21年9月に新規事業として、平成21年8月1日から12月31日までを適用開始期間とする「消費税課税事業者選択届出書」を提出した。


 また、Bは来年3月に、消費税の還付申告を法定期限内に申告する予定である。



 
 (答)

 

 消費税法上、対価を得て反復、継続、独立して行われるものであれば、全てが事業に該当することになるため、たとえ5台限りの駐車場であろうと事業に該当し、新規事業には該当しない。このため、「事業を開始した日の属する課税期間」に当たらないから、Bは平成21年分より課税事業者を選択することは出来ないこととなる。 この結果、免税事業者たるBは平成21年分の消費税の還付を受けることは出来ない。


 (参考) 課税事業者の選択届出書,課税期間特例選択届出書,簡易課税制度選択届出書の効力発生は、事業を開始した日の属する課税期間等に限っては、届出書を提出した日の属する課税期間より効力が生じるとの特例が設けられていますが、特例の適用にあたっては十分に検討する必要があります。


 
 (事例 3)

 

 通信販売業を営むC社は、カード会社を通じてパンフレット等によって、カード会員に商品販売している。そして、カード会社に支払う支払手数料は「カード会社の会員組織を利用する商品代金の回収」という役務の対価であるとして課税仕入で処理した。


 
 (答)

 

 契約上、金銭債権の譲受けとなっていれば、金銭債権の譲受けの対価は消費税法上、非課税取引となる。したがって、金銭債権の譲渡に際してカード会社に支払う手数料は金銭債権の譲渡損に該当し、その名称のいかんに関わらず、非課税となる。






所長のつぶやき・・・・・・


 秋本番の到来です。朱夏から白秋へと、そして山々は緑から黄色へと化粧直しを始めました。秋分の日を過ぎたあたりから、夕暮れ時の明りが暗がりへとつるべ落としの如き変化は、日本人の“ものの哀れ”の心情を否応なくかきたててくれます。まさに、秋思の季節です。


 さて、政治の世界も御承知のように激変を遂げております。おそらく21世紀前半の政治トピックスNO.1になることは間違いないでしょう。戦後政治の出発点ともなった保守合同と55年体制(万年与党の自民党 対 万年野党の社会党)が文字通り終焉を迎えたのですから。


 いよいよ、民主党の鳩山政権が始動しました。内閣支持率も70%を上回っており、まずは上々の首尾です。鳩山首相も“友愛”をキ−ワ−ドに国連総会、G20金融サミット、各国首脳とのトップ会談を精力的にこなし、麻生首相とは好対照の評判ぶりです。衆議院選挙で掲げたマニフェストの実現を目指して、早くも八ッ場ダムの事業中止を表明して本格的な攻防が始まりました。


 一方、野党に転落した自民党は、解党的出直しの出発点として総裁選が行われましたが、一挙に世代交代とはなりませんでした。旧来の派閥選挙とは一線を画しつつ、谷垣元財務相が若手急進改革派の河野氏らを引き離して選出されました。谷垣氏がどのような理念、改革方針を党内外に明らかにして党再生の先頭に立つことになるのでしょうか。


 いずれにしても、この間の政治決戦における最大の成果は、日本の民主主義がこんなにも成熟し、かつ、定着しているかということです。アメリカやイギリス等の二大政党間での政権交代は見慣れた現象でしたが、日本で、実質的に初めての政権交代があり、しかも、サプライズこそあれ、政治的混乱は見られず、経済や国民生活も正常に機能しております。“日本にも、どっこい民主主義は根付いている”と実感でき、政権交代が正々堂々、かつ粛々と推し進められていることに、かつて味わったことのない政治的感動を覚えます。


 もっとも、新政権とマスコミとの蜜月の関係が終わり、山積する課題(年金、医療、財政再建等)の解決手法について民主党が旧来の自民党の二番煎じで対処すれば、来年の参議院選挙では国民から痛撃され、再び与野党逆転も予想されるところです。民主党には慢心を戒め“実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな”の精神で進んでいってほしいと切望します。


 一税理士としては、来年度に向けた税制改正や中長期的なあるべき税・財政改革の工程表をいち早く明らかにして、国民納税者に開かれた議論の場を提供してくれることを念願する次第です。賢明なる納税者はいたずらなバラまきを望んではいません。納得がいけば痛みを伴う改革であってもきっと賛同してくれるでしょう。とはいえ、改革の成否は鮮度とスピ−ドが命でもあります。鳩山政権には目に見える改革の具体的なプログラムを早期に国民に提案、実行してくれることを大いに期待するものです。







 <和奏(わかな)通信>


 和奏が今、夢中になっているのはハサミです。広告紙や使い終わったメモ帳をせっせと切って遊んでいます。「メガネさん、どうぞ」そう言ってハサミの刃先を持ち、自分の顔にあててから相手にハサミを差し出します。保育園の先生方は遊び心をくすぐりながら、安全に配慮して上手に道具の扱い方を教えるものだと感心します。保育園から持ち帰る作品を見ても、かわいい手型を入れた絵などがあり、個性的で様々なアイデアが溢れています。もうすぐ開かれる運動会ではどんな姿を見せてくれるか、今から楽しみにしております。



(平成21年10月1日 所長 橋本)   





                     



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