橋本博孔税務会計事務所

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平成23年2月1日



 トピックス 〜平成23年度税制改正大綱速報 U〜



 既報の通り、政府与党は昨年末に、平成23年度の税制改正大綱を決定しました。

 今回は、前号に続き税制改正大綱の内、相続税及び個人所得税についての速報版をお届けします。


 尚、ご質問は弊事務所へお気軽にお寄せ下さい。


 
 相続税

 

項 目   現 行 改 正 案
基礎控除 1.定額控除5,000万円
2.法定相続人比例控除
  1,000万円に法定相続人数を乗じた金額
1.定額控除3,000万円
2.法定相続人比例控除
  600万円に法定相続人数を乗じた金額
死亡保険金の
非課税限度額
500万円に法定相続人の数を乗じた金額 500万円に法定相続人(但し、未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者)の数を乗じた金額
税率構造 法定相続分に応じる
各人の取得金額
税率 法定相続分に応じる
各人の取得金額
税率
1,000万円以下の金額 10% 1,000万円以下の金額 10%
3,000万円   〃 15% 3,000万円   〃 15%
5,000万円   〃 20% 5,000万円   〃 20%
1億円以下の金額 30% 1億円以下の金額 30%
3億円   〃 40% 2億円   〃 40%
3億円超の金額 50% 3億円   〃 45%
6億円   〃 50%
6億円超の金額 55%

 (
平成23年4月1日以後の相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用されます。)


 
 個人所得税

 
 T.給与所得控除の見直し



 1.給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額は、245万円の上限を設ける。


 2.役員等が支払を受ける役員給与等の収入金額が2,000万円を超える場合は、段階的に給与所得控除額を圧縮する。


 (平成24年分以後の所得税及び平成25年度分以後の住民税について適用されます。)



 
 U.退職所得の課税方法の見直し



 1.役員退職手当等に係る退職所得の課税方法の見直し


 役員等(役員等としての勤続年数が5年以下の者に限る)が支払を受ける退職所得の課税方法については、退職所得控除額の残額の2分の1とする措置を廃止する。


 (平成24年分以後の所得税及び住民税は、平成24年1月1日以後に支払われるべき退職手当について適用されます。)


 2.退職所得に係る個人住民税の10%の税額控除を廃止する。


 (平成24年1月1日以後に支払われるべき退職手当について適用されます。)









所長のつぶやき・・・・・・


    寒中お見舞い申し上げます


 1月の半ばには太平洋側の東海地方も大雪に見舞われ、名古屋市内でも20cmを超える積雪になりました。ここ数日は氷点下になることもあり“冬は冬らしく”ではありませんが、地球温暖化をしばし忘れさせる今日この頃です。


 さて、今年も前途多難を予想させるスタートとなっております。はからずも年賀状で書いた内憂外患が進んでいきそうな雲行きです。最近の『内憂』は政治の混迷ぶりです。菅第二次改造内閣も総理自身が失点を重ねているようでは年内の総辞職、衆議院解散も杞憂と言ってはおられない状況です。


 とりわけ、先月末に世界的な格付け会社であるスタンダ−ド・プアーズ(S&P)社による日本国債の格付の一段階引下げというニュースに対し、総理の「私はそういう問題は疎い」という発言には、与野党を問わず、あるいは内外の政治・経済に携わる人々に対して、日本のリーダーシップに対する信認を著しく低下させました。


 また、名古屋では愛知県知事選、名古屋市長選、名古屋市議会解散の賛否を問う住民投票とトリプル選挙が過熱しております。なかなか政策の中身を問う論戦には遠く、劇場型、ワイドショー化が強まる一方です。


 一方、『外患』としてはチュニジアの政変に続き、あるいはそれに触発されてエジプトでも内乱の危機がせまっております(エジプトと言えばピラミッドくらいしかすぐに思い浮かばないのですが)。現在のムラバク大統領が30年近く独裁政権を維持してきたことから考えると、中近東・アフリカ地域での経済成長に伴う深刻な格差社会への反発と人権・自由を求める民衆のエネルギーがマグマとなり今にも地表にあふれ出さんとしているようで予断を許しません。


 話は変わり、小生の内裕外歓(内にあっては余裕を保ち、外にあっては歓談の輪を広げる)の近況を報告させていただきます。


 『内裕』の一端として、映画「武士の家計簿」をみてきました。徳川幕府末期の金沢藩の下級武士の親子三代に亘る経理マンの哀歓です。慎ましく堅実に、時に毅然とした生き方を主人公役の堺雅人が好演しておりました。藩上層部の不正蓄財を算盤という想定外の武器を駆使し、理詰めで追及していくストーリー展開には、目からウロコの感がしました。もみ消しの企み、左遷の危機と通常の時代劇でしたらチャンバラの迫力あるシーンが出てくるのですが、そのシーンは算盤に取って代わり、数字を扱う職業柄、とても痛快に思えました。


 『外歓』に関して。税理士会の会務も卒業しつつあります。かつて日税連や名古屋会の担当会務の折に親しくさせていただいた仲間達との旧交を温める機会が増えてきました。ややもすると、懐古談になりがちですが、それはそれとしてかけがえのない喜びです。まだまだ現役役員が多く前向きな意見交換もあり、新たな刺激をいただいております。



(平成23年2月1日 所長 橋本)   





                                 


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