橋本博孔税務会計事務所

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平成23年9月1日



 トピックス 〜平成23年度税制改正の概要〜



 迷走を続けた平成23年度の税制改正は、法人税率の引下げや相続税関係を除き、去る6月22日に一応の決着を見ました。


改正された項目のうち、実務上重要と思われる事項を再度取り上げ、解説させていただきます。


 尚、ご質問は弊事務所へお気軽にお寄せ下さい。


 
 1.所得税


(1)年金所得者の確定申告不要制度
その年中の公的年金等の収入金額が400万円以下である者が、その年中の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合は、その年分の所得税の確定申告書の提出を要しないこととなりました。

(2)還付申告書の提出時期
所得税の申告義務のある者の還付申告書は、その年分の翌年1月1日から提出できることとなりました。(改正前はその年の翌年2月16日から)

なお、申告義務のない者の還付申告については今までと同様、翌年1月1日から提出できます。

 
 2.法人税


(1)雇用促進税制の創設
公共職業安定所に雇用促進計画を届け出た法人が、平成23年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する各事業年度において、一定の要件のもとにその事業年度の法人税額から、増加した雇用保険一般被保険者の数に20万円を乗じた金額(法人税額の10%(中小企業者については20%)を限度)を控除できます。

青色申告個人事業者にも同様に適用。 


(2)中間申告制度の見直し
次の場合には、仮決算による中間申告書が提出できなくなりました。

・前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、6を乗じて計算した金額が、10万円以下

・仮決算に係る法人税額が、前事業年度の確定法人税額を前事業年度の月数で除し、6を乗じて計算した金額を超える場合

(注)この改正は、確定申告時に多額の還付税金が発生する場合、これに伴う還付加算金(事実上の利息)を抑えこむ狙いがあるといえます。


 
 3.消費税


(1)免税事業者の要件の見直し
基準期間(通常、法人の場合は2期前、個人の場合は2年前)の課税売上高が、1000万円以下の事業者については、さらに特定期間(原則として前年又は前事業年度上半期の6か月間)の課税売上高が1000万円以下でなければ免税事業者になりません。

なお、特定期間の課税売上高に代えてその間の支払給与の額で判定することができます。

ただし、この場合税務署への届け出が必要になります。


◎ 平成25年1月1日以後開始する事業年度から適用になります。

(2)仕入税額控除における95%ルール
課税売上割合が95%以上の場合の課税仕入れに係る税額の全額を控除できる、いわゆる「95%ルール」について、その課税期間の課税売上高が5億円を超える事業者についてはこの95%ルールが適用できなくなります。


◎ 平成24年4月1日以後開始する課税期間から適用になります








所長のつぶやき・・・・・・


 残暑お見舞い申し上げます


 立秋、暑処を過ぎていよいよ夏から秋へと季節が変わるはずなのですが、お盆を過ぎても連日30度を超える暑さです。ここ数年は10月にならないと秋の気配が感じられなくなってきました。


 日本はもはや亜熱帯地帯に組み込まれていると言った方が正確かもしれません。熱中症や夏バテに細心の注意を払っていただきたいと思います。


 さて、9月1日号のトピックスとしては、好むと好まざるに関わらず政治の動向を取り上げざるを得ません。先月末間際、民主党の代表に野田佳彦氏が選ばれ、早くも翌日には国会で新首相に指名されました。菅前首相の正式な辞職表明から1週間も経ない極めて短期の政治決戦でした。


 わずか2年前、自公政権を圧倒して本格的な政権交代を実現させた高揚感もあっという間にしぼみ、鳩山政権の尻拭いを期待された菅政権も、東日本大震災、とりわけ福島原発災害への対応のまずさ、政策のジグザグ対応への不評等によって政権浮揚どころか退陣表明で延命を図るのが精いっぱいという為体(ていたらく)でした。


 三度目の正直ではありませんが、前二者とはいささか、あるいはかなり様相の異なった野田氏が二回目の本選で海江田氏を突き放して勝利しました。同氏の立候補にあたっての弁舌は小生を含め、多くの有権者には小泉元総理とは対照的ながら、好感をもって受け止められています。「自分は金魚でなく、どじょうと称し、ルックスはこの通りで支持率はすぐに上がらないから解散は急がない」云々と、日本の政治家に決定的に欠けているユーモアのセンスは抜群で、この先、大いに期待したいところです。


 この1週間はまさに政治の季節です。党役員、主要閣僚の人選を巡って表面と水面下の各々の場面において野党も巻き込んでの駆け引きが展開されております。いずれにしても、震災復旧・復興、超円高対策を含めた日本経済の早急な立て直し、社会保障と税の一体改革等々難題が山積みです。しかも、もうこれ以上の先送りは国民・納税者、内外の経済環境も許してはくれないギリギリの段階になっております。


 柔道2段であり、どっしりとした存在感のある野田新首相は「華」は感じられなくとも、ブレることなく、決めた政策は実行してくれるのではないかという期待感があります。前車の轍を踏むことなく日本の再生に向け、渾身の努力を傾注してくれることを祈らずにいられません。


 明るい話題として、名古屋で開催された第13回ど真ん中祭り(どまつり)があります。8月最後の土日に、全国各地から200を超える様々なチームが思い入れいっぱいのコスチュームと踊りを披露し、名駅や栄周辺を元気いっぱい練り歩きました。最終日にはギネスにも登録された「一千人の総踊りパレード」があり、名古屋の暑さを吹き飛ばしてくれました。ちなみに今年の観客数は延196万人とか。


 孫の和奏(わかな)も現在通園している昭和保育園「たちばなチーム」として参加し、沿道の観客からたくさんの声援をいただきました。可愛らしい水兵服に身をまとい、『せかいはひとつ。みんなともだち』の想いを歌と踊りに込めて精いっぱい演技し、キッズ部門の金賞に輝くという喜びをもたらしてくれました。大会前夜、大きな声で歌いながら何度も踊って見せてくれ、恥ずかしがり屋だった和奏の成長ぶりにじいじの頬も緩みっぱなしでした。


 東北地方での今なお厳しい状況、超円高に伴う産業の空洞化、地域の疲弊等々、悲観的な側面ばかりが目立ちますが、明けない夜はないと言います。「良いことは長く続かない」の逆説で「悪いことも長くは続かない」と発想の転換を図ることも大切なことです。


 世界陸上競技のハンマー投げでは室伏選手が堂々の金メダルを獲得しました。嬉しいこと、期待の持てることに敏感に反応するアンテナをしっかり掲げ、収穫の秋に臨みたいと思います。




(平成23年9月1日 所長 橋本)   





                            


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