橋本博孔税務会計事務所

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平成24年1月元日



 トピックス 〜積み残されていた平成23年度税制改正について〜



  政府与党は昨年の臨時国会において、積み残されていた平成23年度税制改正の内、

 所得税及び相続税の改正については平成24年度以降の税制改正で手当てすることになりました。

 今回は、この税制改正の内、法人税制についてお届けします。


 尚、ご質問は弊事務所へお気軽にお寄せ下さい。


 
 (1)基本税率の引き下げ



  改正後 現行
普通法人 25.5% 30%
中小法人又は人格のない社団 19% 22%
公益法人等又は協同組合等 19% 22%


 平成24年4月1日開始事業年度から適用されます。


 但し、中小法人等については、平成24年4月1日から平成27年3月31までの間に開始する各事業年度の所得金額が800万円以下の金額については、15%(現行18%)に引き下げられます。




 
 (2)課税ベースの拡大



 ・定率法の償却率の見直し(定額法償却率の2.5倍から2.0倍に圧縮)
平成24年4月1日以後に取得する減価償却資産に適用されます。

尚、4月1日をまたぐ事業年度には経過規定が設けられております。


 ・欠損金の繰越控除の見直し

普通法人(資本金1億円超)等

 欠損金の繰越控除額について、中小法人等を除きその繰越控除をする事業年度のその繰越控除前の所得金額の80%相当額とすることになりました。

平成24年4月1日以後に開始する事業年度の所得に対する法人税に適用されます。


中小法人(資本金1億円以下)等

 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間及び連結欠損金の繰越期間を欠損金の生じた事業年度の帳簿書類の保存を要件に9年(現行7年)に延長されました。

平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金額に適用されます。


 ・貸倒引当金の対象範囲の縮小

 貸倒引当金の適用対象法人を中小法人等及び銀行、保険会社その他これらに準ずる法人並びにファイナンスリース取引に係るリース債権を有する法人等に限定されました。


 
 (3)納税環境の整備



 当初申告要件の見直し
法人税法における控除額の制限がある次の制度については、更正の請求(5年に延長)により当初申告時の控除額を増額することができることになりました。
 1.受取配当等の益金不算入制度

 2.寄付金の損金算入制限制度

 3.期限切れ欠損金の損金算入

 4.協同組合等の事業分量配当の損金算入制度

 5.所得税額控除制度並びに外国税額控除制度








所長のつぶやき・・・・・・


  新 年 の ご あ い さ つ


 新しい年がスタートしました。昨年は地球的な規模で天変地異があり、経済環境もそれに劣らぬ乱調ぶりでした。加えて、政治の激動が早くも予想されます。折しも、北朝鮮の独裁権力者がこの世を去りました。今年はアメリカやロシア、更には中国といった大国のみならず韓国を含めて相当な数の国々で大統領選等々があり、熱い政治の季節がほぼ1年に亘って展開されることになります。


 日本でも消費税増税の議論と予算関連法案の国会通過を巡り、混迷の果て内閣の総辞職か解散・総選挙が行われるというハプニングもまさかとは思いますが、全くゼロとは言えない状況です。その意味では今年も波乱の幕開けとなりました。


 昨年末に決定した平成24年度の政府予算案、総額90.3兆円の内訳を見ると、何とか表面的には面目を保っているようですが、財務省官僚による財源捻出のための奥の手もそろそろ限界に達しており、待ったなしの歳入・歳出の一体改革に向けた議論を今からしないと将来世代のみならず現在世代にも厳しいムチの嵐が迫ってきそうです。


 大きな不安要素はEU危機の引き金と同様に政府債務残高の急増ぶりです。税収よりも新規発行国債が上回るという異常事態が常態化しています。年度末の平成25年3月には政府債務残高が遂に1,000兆円を突破してしまいます。バブル崩壊、リーマンショック等と、やむを得ない非常事態の選択肢として赤字国債を大量発行してきた結果、わずかこの10数年で500兆円も政府債務残高が積み上がってしまいました。


 個人金融資産が1,400兆円以上あるから、日本国内で消化できるという安心感はいつまでも保証されるものではありません。しかも、国内総生産(GDP)に対する借金の残高を比率で示すと、あのギリシャですら1.6倍に対して日本は2倍を超えるという世界でも最悪の部類に属しています。このまま漫然と推移してしまうと、遠からず日本もギリシャやイタリアの二の舞になりかねません。


 だからといって、財政再建のために消費税増税を急げば、国民の負担増とともに転嫁の不安や資金繰り難に苦しむ中小企業は淘汰されかねません。まさに、前門の虎、後門の狼といった状況に晒されていると言わねばなりません。新年早々から悲観的な話題になってしまいましたが、せめて自分でできる範囲内では、明るい展望や話題に敏感に反応していきたいと思います。


 そのヒントとして今年は二つの言葉を胸に刻んでいきたいと思います。


 一つ目は『絆』です。二つ目は『明るいビンボウ』という言葉です。小生のような60歳代の世代にあっては、少年期の大半において空腹感が常につきまとっていたものの、何故か皆明るく元気に飛び回っていたような気がします。家には一家団欒があり、地域では口やかましいおばさんやおっかないおじさんが存在して何となく見守られていました。小生の体験でも年に1、2度くらいのすき焼きが旨かったこと。念願のグローブを買ってもらえた時のあの嬉しさ、まさに『絆』と『明るいビンボウ』が同居していました。


 自然も経済も厳しい時代を迎えますが、絆を大切にビンボウもそれなりに明るく受け入れ感謝の心で1年を過ごしたいと思います。



 < 閑話休題 >


 辛い時ほど、笑顔が貴重となります。一服の清涼剤として、川柳を何点か紹介します。 
                                 (出典 税研情報センタ−より)

 ・ 利益出ぬ こともエコだと 胸を張る

 ・ 銀行で 借り放題は トイレだけ

 ・ 自転車を こぐたび思う 資金繰り

 ・ 利益でて 計算ちがいと 大騒ぎ               

 ・ 前年比 頑張ったのは 光熱費



夢は限りなく、努力は惜しみなく。本年もどうぞよろしくお願い致します。




(平成24年元旦  所長 橋本)   





                                      


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