橋本博孔税務会計事務所

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平成24年10月1日



 トピックス 〜事前確定届給与等について〜


 法人役員の給与について、毎月の定期同額給与に加え事前確定届出給与を支給する法人が弊事務所でも増えてきております。そこで今回は、役員給与、特に事前確定届出給与の取扱いについてご紹介します。


 尚、ご質問等は弊事務所へお気軽にお寄せください。




 T  損金算入できる役員給与


  1.定期同額給与



 支給時期が1月以下の一定の期間ごとであり、かつ、当該事業年度の各支給時期における支給額が同額である給与その他これに準ずる給与。(例 毎月支給する役員報酬。但し、使用人兼務役員については役員手当部分が該当します。)。



  2.事前確定届出給与



 その役員の職務につき所定の時期(○年12月中ではなく、○年12月20日と月日まで特定する必要があります)に確定額を支給する旨に基づいて支給する給与で、一定の要件(定時株主総会等での支給決議、並びに定時株主総会等の決議より1月又は会計期間終了後4月経過日のいずれか早い日までに税務署への届出)を満たすもの。



 U  事前確定届出給与の損金の取扱い


  1.原 則



 所轄税務署へ届け出た支給額と実際の支給額が異なる場合にはその支給額の全額が損金不算入となります。

 (債務として確定していない、つまり臨時の賞与として取り扱われます)




  2.例外の事例



 5月決算法人が、定時株主総会で、役員に当年12月20日に100万円、翌年6月末に100万円を支給する決議をして届出をした場合、届出通りに支給された場合には問題ありませんが


 資金繰り等の関係で下記の支給となった場合
1) 12月20日 100万円支払、  翌年6月末は  50万円支給。
2) 12月20日  50万円支払、  翌年6月末は 100万円支給。
3) 12月20日  支給額 0円、  翌年6月末は 100万円支給。
(結果)
(1)の12月20日に支給した100万円の役員給与については損金算入されますが、翌年6月末の50万円は損金不算入となります。(事業年度毎で判定します)

(2)、(3)の各支給額はその全額が損金不算入となります。
(理由)
(2)、(3)については、原則通りその職務執行期間に係る支給額の全てが定め通りに支給されたとはいえないため、その支給額のすべてが、事前確定届出給与には該当せず、損金不算入となります。

しかしながら、5月決算法人が当該事業年度中は定め通りに支給したものの、(1)のように翌事業年度において定め通りに支給しなかった場合には、その支給しなかったことにより直前の事業年度の課税所得に影響を与えるもではないことから、翌事業年度に支給した給与についてのみ損金不算入となります。








所長のつぶやき・・・・・・


 “暑さ寒さも彼岸まで”という言葉が死語になっていないようで安堵している今日この頃です。


 日中は30度前後まで上昇するものの、朝晩は涼しいというより肌寒さを感じる程で、肌掛布団が必要となっております。またまた大型台風が発生しており、沖縄や九州地方は毎週末暴風雨にさらされ、台風の当たり年になっています。幸いにして尾張地方は何故か(地震を含めて)大きな被害もなく、ほっとしております。もっとも、何年か先にドカーンと大きな災厄がもたらされるのではという不安は払拭されませんが。


 それにしても、乾いた空気がさわやかです。いつの間にか、田んぼでは稲穂が黄金色に染まり、畑や原っぱには赤トンボが飛びかっています。秋分の日にお墓参りをしてきましたが、お盆の時のほおずきに代わって、真っ赤なハゲイトウが各お墓を飾っており、秋本番を予感させるのに十分でした。


 さて、いよいよ、政界も風雲急を告げつつあります。民主党も自民党も党首選挙が終わりました。与党・民主党は野田総理の再選が興奮もないまま難なく決まりました。現職の総理大臣の続投を信任する選挙の性格からして、無投票であってもおかしくないのですが、やや盛り上がりに欠けた印象は否めません。


 これは与党内の分裂含みの潮流をあえて表面化させないため、党外の市民・納税者へ積極的に働きかける(マスコミでの討論会、街頭演説会等)ことを避けていたからでしょうか。また、やや予想外でしたが、輿石幹事長を続投させ、党内融和を第一とする内向きの布陣で第三次野田内閣が本日発足することになりました。


 一方、野党・自民党の総裁選挙は、場合によっては政権の奪還も現実的になっている雰囲気を受けて、異例の展開を見せました。現職の総裁が立候補断念に追い込まれ、候補者も5人という乱戦となりました。その結果は、地方票を加えた一回目の選挙では2位に甘んじたものの、国会議員のみの決選投票で安倍元総理が当選を果たしました。“政界、一寸先は闇”という諺もまだまだ健在でした。


 尚、直後に実施されたマスコミの緊急世論調査によると、「近いうち」の衆議院の解散総選挙に伴い、与野党逆転の可能性が高くなりつつあるものの、ポジティブ(期待感いっぱい)な選択というよりは、ネガティブ(あまりにひどかったという失望からの反発)な選択というのが実感です。


 勿論、これから自民党、民主党を含め全ての政党・新興党派が明治維新や第二次大戦後の政治変革に匹敵する、政治の根本的再生に向けて、切磋琢磨する時間、チャンスは十分にあります。政界の自浄(再生)能力と有権者のチェック能力の相互作用によって、まさに国難ともいうべき政治、経済、外交、安保等、どの一つをとっても気の緩みが許されない厳しい政策課題を国民の見えるところで大いに議論してもらいたいものです。そういった十分なデータ・情報(加工されたものでない、ある意味不都合な真実もさらけだして)の提供を受け、自身の判断で日本の近未来を主権者たる国民が選択し、その責任の一端を自主的に担うといった展開になることを願うばかりです。




 追悼


 小生が税理士試験に合格して、この業界に飛びこみ、爾来今日に至るまで、税理士としてどうにかやってこられた、云わば生みの親、育ての親ともいうべき、恩師である堀田正之先生が先月逝去されました。享年97才、天寿を全うされました。最後に拝見したお顔も、凛として変わることなく、衰えを感じさせませんでした。


 15年間の勤務税理士時代は勿論のこと、お許しを得て独立開業させていただいた後も、折に触れご指導ご忠告をいただきました。時には、勢いあまってつんのめりがちになる小生に対して、ストレートではない含蓄のある言葉によって苦言もいただきました。


 父親の時と同様に、「親孝行したい時に親はなし」という状況になってしまいました。6年前の卒寿のお祝いに堀田事務所に縁ある仲間達が集い、先生を囲んで歓談した時の写真が手許にあります。かくしゃくとしたお姿と笑顔に改めて深甚なる感謝の言葉をささげたいと思います。


    合掌。


(平成24年10月1日  所長 橋本)   






                                


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