橋本博孔税務会計事務所

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平成29年2月号



 トピックス 〜平成29年度税制改正大綱 [第2弾]


 政府は平成29年度税制改正大綱を平成28年12月22日に閣議決定しました。 今回は、平成29年度税制改正大綱のうち相続税関係の概要をお届します。


 尚、ご質問等は弊事務所へお気軽にお寄せください。




 1.取引相場のない株式の評価の見直し

 
(1)類似業種比準方式について、次の見直しを行う。


1. 類似業種の上場会社の株価について、現行方式に加えて課税時期の属する月以前2年間の平均。
2. 類似業種の上場会社の配当金額、利益金額及び簿価純資産価額について、連結決算を反映させたものとする。
3. 配当金額、利益金額及び簿価純資産価額の比重について、1:1:1とする。



(2)評価会社の会社規模区分(一般にLと称されている)について、大会社及び中会社の適用範囲を拡大する。





 類似業種比準方式による株価の算出方法(現行)


      


        b,c,d:評価会社の1株当たりの金額

        B,C,D:上場会社の業種別の1株当たりの金額

        ( )書きが改正箇所



1. 類似業種の株価(A)ついて、上場企業株価の急激な変動に備えるために過去2年間の平均を選択可能とする。
2. 比準要素(B,C,D)の「C(利益)×3倍」を成長、好業績企業の負担を軽減するため1倍として、1:3:1を1:1:1に見直しをする。
3. 比準要素(B,C,D)について、上場会社の子会社を含めた連結会計上の数字に見直しをする。
 



【適用時期】平成29年1月1日以後の相続等により取得した株式について適用する。




 2.広大地の評価について

 
現行の「面積に比例的に減額する」評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに、適用要件を明確化する。


〔現行〕 広大地評価 = 路線価×面積×広大地補正率
〔改正〕 広大地評価 = 路線価×面積×補正率(※1)×規模格差補正率(※2)


  (※1)形状(不整形・奥行)を考慮した補正率

  (※2)面積を考慮した補正率
 



面積に応じて比例的に減額する評価方法から各土地に応じて面積・形状に基づき評価する方法に見直し、実勢価額により近づける。



 【適用時期】平成30年1月1日以後の相続等により取得した財産の評価に適用する。





 3.株式保有特定会社




株式保有特定会社(保有する株式及び出資の価額が総資産価額の50%以上を占める非上場会社)の判定基準に新株予約権付社債を加える。



 【適用時期】平成30年1月1日以後の相続等により取得した財産の評価に適用する。









所長のつぶやき・・・・・・


 早いものです。今年もあっという間に一ヶ月が経過しました。「家族の健康」と「今年こそ穏やかな年になりますように」という初詣の願いも現実はなかなかそのようにはいかないようです。


 まずは、些細なことですが。年明け早々に包丁で右指を切ってしまいました。幸い、深手にはなりませんでしたが、それでも8針を縫うという代物でした。処置が早くて、もうすっかり回復しております。「一病」を早くも経験したということで、これからは「息災」で健康に過ごしていけるものと勝手に期待している次第です!?


 一方、「穏やかな年に」という点に関しては、全く逆方向で、「酉騒ぐ」を地で行くといいましょうか、「超」がいくつも重なる波乱万丈のスタートとなっております。


 言わずと知れた、米国でのトランプ大統領の始動です。大方の予想は願望を込めて、選挙戦最中のスローガンはあくまでも選挙戦術であり、正式に大統領に就任すれば自ずと現実的な政策に戻るものと思われていました。これが見事にはずれました。その有言実行ぶりは「敵ながら天晴れ」という実感です!?(だからといってクリントン氏を評価しているわけでもありませんが)。


 それにしても、大統領就任パレードの観客がオバマ大統領の時の半分以下というマスコミ報道に咬みつく様は「ご愛敬」を超えて自分に不都合な事実は無視する、という品性のなさ、独りよがりを露呈していました。


 実際、就任初日から立て続けに『大統領令』(日本と違って、予算を伴わなければ法律に匹敵します)に署名しました。世界の貿易秩序を一瞬にして反故にする内容になっております。具体的には「アメリカはTPP交渉から永久に離脱する」「将来の貿易協定は一対一で交渉する」「アメリカの労働者の利益になる、公平な貿易協定をつくる」あるいは「シリア難民の入国禁止」等々です。


 加えて、荒唐無稽と揶揄されていた、「メキシコとの国境に壁をつくる」ことも大統領として正式に宣言しました。しかも、その費用はメキシコ持ちにするというものです!要は、メキシコからの輸入品に対して高率の関税を課して実質的に財源を調達するというのです。


 フィリピンや北朝鮮の指導者の発言ならいざ知らず、戦後の世界秩序を構築し、自由貿易を主導してきた超大国アメリカの最高指導者の発言とはとても信じられません。


 ここで、税理士として看過できないのが「トランプ税制」と称すべき分野です。予算に密接に関係しますので、議会での承認という大きな関門が控えているものの、上下両院の多数を握る与党共和党が同調すれば、そのものズバリでなくとも実現可能性が高まるものと覚悟を決めておく必要があります。


 その衝撃的な税制の抜本的改革の骨子は、「所得税の最高税率の引き下げを含む大幅減税」「相続税の廃止」「連邦法人税の税率を35%から15%への引き下げ」「事実上の輸出免税」「輸入税の導入」等々で個人、法人双方に税負担の軽減を約束するとともに、国内経済の活性化を図るという、ある意味画期的な代物です。


 わけても、連邦法人税を15%にするという方向性は、シンガポールや香港並みかそれ以上に一挙に、タックスヘイブン(租税回避地)税制に突き進むという大胆なものです。


 日本ではここ数年をかけて実効税率をようやくにして30%を切るまで悪戦苦闘してきた現状を顧みますと、実現した場合のそのインパクトの強さは計り知れないものがあります。まだまだ紆余曲折はあるでしょうが、「山高ければ、谷深し」という諺の如く、4年任期の折り返し点までには世界経済並びにトランプ氏の最大の支援者たる白人低所得労働者への負の連鎖(輸入物価の高騰、社会保険料の負担増、スタグフレーション等)がもたらされるのではないでしょうか。


 いずれにしても予断を許しません。景気や為替の動向を含め、アメリカ国民のみならず世界中が身構え、注視していくことになります。







 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫


 年末年始にインフルエンザに罹った和奏でしたが、元気に登校していたのも束の間、学校でインフルエンザが猛威を振るい、遂に学級閉鎖になってしまいました。怪我の功名と言いましょうか、おかげで、二泊三日、我が家で過ごすことになりました!和奏一人でばあばを独占しエンジョイできました。


 勉強・宿題をこなした上で、習字、お手伝いも加わり、長女を含めて三方皆良しという僥倖を得ることができました。残念ながら、じいじは仕事のためにほとんどお相手ができませんでしたが、次の機会ができることを願った次第です。


 一方、遼真は最近ネットで爆発的に人気が高まっている「ピコ太郎」の歌と振付を覚えたようで、近いうちに是非とも披露してもらいたいと楽しみにしております。




(平成29年2月1日  所長 橋本)   






                                


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