橋本博孔税務会計事務所

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平成29年4月号



 トピックス 〜平成29年度税制改正大綱 [第4弾]



 平成29年度税制改正関連法は、3月27日の参議院本会議で採決され、賛成多数で可決成立しました。

 今回は、平成29年度税制改正大綱のうち前回までに取り上げなかったものをご紹介します。


 尚、ご質問等は弊事務所へお気軽にお寄せください。






 1.納税地の異動届出等

 
改正前の制度


(1)納税地の異動届出



 法人は、その法人税の納税地に異動があった場合には、異動前の納税地の所轄税務署長および異動後の納税地の所轄税務署長にその旨を届出なければならないとされていました。



(2)登記事項証明書の添付


 普通法人又は協同組合等を設立した場合は、設立の日以後2か月以内に法人設立届を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません。


 法人設立届出書には次の書類を添付します。

  1.定款、寄附行為、規則又は規約等の写し

  2.設立の登記の登記事項証明書

  3.株主又は出資者名簿の写し

  4.設立趣意書

  5.設立時の貸借対照表など




改正内容



(1)納税地の異動届出



 法人税の納税地に異動があった場合に提出することになっている届出書について、異動後の納税地の所轄税務署長への提出が不要となります。



(2)登記事項証明書の添付


 法人の設立届出書等について、登記事項証明書の添付が不要となります。






 2. 増額更正時の連動的税額控除額の増加



改正概要及びその背景


 外国税額控除及び研究開発税制等について、税務署長が税額を増額更正する場合において連動的に税額控除額を増加させることが可能となります。

従来、当初申告において適用を受けた税額控除額を増加させる場合には、更正の請求や修正申告の手続きが必要とされていました。

これらの税額控除額は、法人税の額を基に計算した控除限度額があるため、調査に基づく更正で法人税額が増加すれば控除限度額も増加します。

しかし、調査に基づく更正では控除額の増加は認められず、調査に基づく更正後に納税者から改めて更正の請求を行って再度更正処分を行っていました。



改正内容


 外国税額控除制度、研究開発税制等について、その適用に係る申告要件につき、納税者の立証すべき事項(控除対象外国法人税の額、試験研究費の額、特別試験研究費の額等)及び当初申告の要否が明確化されます。

このため、要件を満たす場合には税額控除額を変更できることを明らかにすることで、税務署長が本税を増額更正する場合に、連動して税額控除額を増額させることが可能となります。









所長のつぶやき・・・・・・


 「梅は咲いたか、桜はまだかいな」の雰囲気から一挙に「桜が満開、春らん漫」といった季節を迎えております。我が家の隣の畑では梅の匂いに誘われて、鶯が発声練習中です。しばらくすると、「ホーホケキョ」と聞こえてくることでしょう。


 29年度予算も政府・与党ペースで早々と年度内にて成立しております。税制改正も正式に決定しました。事務所通信では今号を含め何回かに分けてお知らせしておりますが、具体的な適用の可否、有利選択等につきましては何なりと個別のご相談をお待ちしております。


 さて、国内の話題について。先々週の国会における証人喚問で大きなヤマ場を迎えた「森友学園」問題に関しては今後もその展開が注目されます。証人喚問で幕引きを狙ったようですが、真実の解明には程遠く、双方の主張がまったくかみ合っておりません。


 ここで小生なりに注目しておきたいのが、『忖度』(そんたく)という言葉使いです。おそらく、今年度の流行語大賞の一つとしてノミネートされることは間違いないでしょう。国語辞典的な解説ですと、「相手の立場を考えて物事を行うこと」あるいは「気を利かす」、「気持ちを推し量る」といった意味内容です。対等な立場であれば、肯定的ないしはニュートラルな表現と理解されます。


 反面、組織における上下関係、とりわけ権力者に仕える立場においては俄然、その意味内容が異なってきます。今回の事案に即して解説すると「他者の欲望を敏感に察知し、先回りして満たすこと」を指すようです。


 断片的な情報しか持ちえていませんが、時の最高権力者(しかも、これからなお数年間、その立場を維持し続ける可能性が極めて高いという)に何かしら近い存在を誇示?している関係者からの要望、請願ということであれば、上昇志向の強い優秀な官僚であればあるほど、遺憾なく「忖度」してしまうことでしょう。


 おそらく、法律上、とりわけ刑法上の疑惑といった展開はないまま、終息していくのではないでしょうか。とはいえ、総理大臣夫人の性格という点は、紋切り型ではなく、閣議了解事項として、きちんとしたルールをこの際明確にすべきではないでしょうか。


 似たような言葉として「惻隠の情」という表現があります。これは、「武士の情け」という言葉にも通じ、西洋の合理的、論理的な思考からはなかなか理解しがたい概念です。一連の騒ぎから、日本人の思考方法や人間関係論について思わず考えさせられました。


 他方、海外に目を転じますと、何といってもアメリカのトランプ大統領の政策展開が話題の中心になっております。選挙で公約した看板政策が相次いで頓挫を余儀なくされております。大統領就任直後、議会の承認が不要な大統領令で早速、自らの持論を展開すべく、TPPからの離脱表明は実現したものの、イスラム圏からの一時入国制限に関しては二度に亘り、司法機関から差し止められました。これらは予算措置を伴わないので、大統領の一存でできますが、政策の目玉商品とでもいうべき、「オバマケア法」の抜本的な見直しは野党民主党のみならず、肝心な与党共和党の強硬派の支持が得られず、法案の撤回に追い込まれました。


 こうした雰囲気を受けて、連邦法人税を35%から15%に引き下げる税制改革や巨額のインフラ投資への期待感もしぼんでしまい、ニューヨークのダウも下げ足を強めております。洋の東西を問わず、政治も経済もまさに‘生き物’であり、「一寸先は闇」という言葉はなかなか死語にならないものです。むしろ、ますます実感のこもった用語になっております。








 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫


 春休みになり、2週続けて二人と楽しく過ごすことができました。新しい発見として、和奏がいとも簡単にスマホを操作できるようになっております。小生宛に、メールが届きました。文面だけですと、まるで女子高生の雰囲気です。言葉の言い回しや絵文字を駆使している様は既に小生を凌いでおり、まさにインターネット世代の申し子といったところです。これら文明の利器を使いこなしていくのは自然な流れとはいえ、牧歌的なやり取りをまだ捨てきれない小生としては、余り早く成長しないで!?と、つぶやきたい心境です。


 その点、遼真は年長さんになるといっても、まだまだ舌足らずのところもありじいじと孫の麗しい!関係が保たれております。じいじとばあば、お姉ちゃん、遼真と4人がならんだ絵を熱心に描いてくれました。早速、洋間のピアノの上に飾りました。できることなら、このまま幼児のままであり続けて欲しいものです。





(平成29年4月1日  所長 橋本)   






                                


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