橋本博孔税務会計事務所

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平成29年10月号



 トピックス 〜中小企業の優遇税制〔1〕〜


 前号で「中小企業者と中小法人等との違い」についてご紹介しましたが、中小企業に対する優遇税制の適用については、租税特別措置法上の「中小企業者」と法人税法上の「中小法人等」とは定義が異なるため、対象企業がどちらに該当するかによって受けられる優遇税制に違いがあるので注意が必要です。


 今回は中小企業者等の主要な優遇税制について簡単に説明します。詳しくは当事務所にご相談ください。




 T.租税特別措置法上の「中小企業者」

 
中小企業者に該当しない場合には受けられない税制上の優遇措置の例


(1)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

  取得価額が30万円未満については、全額損金算入(即時償却)

  尚、地方税の償却資産には取得資産として申告が必要です。


(2)中小企業者等の試験研究費に係る法人税額の特別控除

  増額試験研究費割合【1−(試験研究費÷前3年内平均試験研究費)】が5%超の場合に控除率が割増となります。

  控除率(上限17%)=12%+(増加割合−5%)×0.3


(3)雇用促進税制の税額控除

  税額控除限度額が中小企業者は法人税額の100分の20です。(中小企業者に該当しない場合は100分の10になります。)



(4)中小企業投資促進税制

  一定の設備投資(機械装置は160万円以上等)を行った場合に30%特別償却,又は7%税額控除の選択適用

  尚、資本金3000万円超の中小企業は税額控除の適用はありません。







 U.法人税法上の「中小法人等」

 
中小法人等に該当しない場合には受けられない税制上の優遇措置の例


(1)法人税率の軽減税率

  年800万円以下の所得金額までは租税特別措置として、

  平成29年3月31日までに開始する事業年度までは15%、その後19%となります。


(2)繰越欠損金の控除制限の不適用

  中小法人等以外は、開始事業年度により一定の割合で控除が制限されます。


(3)交際費等の損金不算入制度における定額控除制度

  定額控除限度額として年800万円までは損金算入ができます。



(4)欠損金の繰戻還付制度

  欠損金が生じた場合、前年度に支払った法人税の繰戻還付を受けることができます。

  尚、地方税については、繰戻還付制度に替えて次年度以降に課税標準となる法人税より還付法人税を控除した金額が課税標準となります。



 (5)貸倒引当金の法定繰入率の適用

  貸倒引当金の繰入限度額の計算にあたり、貸倒実績率によらず業種による法定繰入率により簡易に行うことができます。









所長のつぶやき・・・・・・


 『暑さ寒さも彼岸まで』という諺が死語になっていないことに安堵しております。朝晩は20度を下回り、心なしか布団にぬくもりを感じるような季節の到来となっております。鈴虫が夜長に元気に鳴き始めたり、隣の畑では赤トンボの群れが彼岸花の赤色と競い合っているさまは、日本の秋の風情を実感させてくれます。澄んだ空気に誘われて郊外に出かけて散策をしたくなります。


 実際のところ、先月の半ばに東京の娘に会いに行った折、都心にほど近い世田谷区内にある等々力渓谷へ出かけました。せせらぎとうっそうとした木々に包まれた、まさに都会のオアシスでした。その気になって探せば、名古屋地区でも隠れた穴場が見つかることでしょう。


 さて、そんなのんびりとした雰囲気を一気に吹き飛ばすような解散風が突風のごとく日本列島を席巻しております。政治の世界では「一寸先は闇」という諺が今もって健在であることを証明しております。


 今回の解散を国民・納税者として、どのように受け止めたらよいのでしょうか。小生の感覚では、安倍自公政権には「大義なき解散」、民進党には「してやられ解散」、小池都知事率いる希望の党には「漁夫の利解散」という言葉を進呈したいと思います。


 政権与党側は (1) 朝鮮半島の緊迫ぶりへの対応、あるいは (2) 2年後の消費税増税による増収分の使途を一部変更して子供世代に対する教育費援助の強化について国民に信を問う、としているようです。


 (1) に関しては、北朝鮮の瀬戸際政策(チキンレース)には与野党を問わず一致結束して毅然と対処することが確認できており争点になるものではありません。


 (2) の社会保障分野における予算配分は十分に検討、議論の余地がありますが、それこそ、野党からの憲法に規定する開催要求にやっと応えての臨時国会でしっかりと与野党で政策論争をしたうえで争点を明らかにして国民にその是非を問うというのが民主主義の基本ではないでしょうか。議論の場を提供することを拒み、冒頭解散した上で自分だけの一方的な見解を表明して、これが争点だと主張するのは大いに疑問とするところです。


 これに対する民進党の前原党首の対応は前代未聞の展開でした。直前に党首選挙をして民進党の再建を託されたのではなかったのでしょうか。より大きなプラットフォームの基で安倍政権を退陣に追い込むという弁解は党員はもとより国民はどのように受け止めたら良いのでしょうか。「敵前逃亡?」という言葉が一瞬頭をよぎったのは小生だけでしょうか。


 もう一人の当事者である、小池都知事は都政のみならず国政においても急速にその存在感を増しております。民進党を丸呑みでなく、良いとこ取りしたうえで易々と全国組織まで一瞬のうちに手に入れてしまいました。流石!と言わざるを得ません。民進党が「してやられた」半面、希望の党はまさに「してやったり」と言えます。小が大を呑むという離れ業をこれほど見事にやってのける政治家、小池百合子、恐るべし!と言えます。22日の投票結果にもよりますが、漁夫の利を得ることは間違いなさそうです。


 いずれにしましても、主権者たる国民・納税者としては「見ざる」「聞かざる」「言わざる」の傍観者となることなく、しっかりと自分の肌感覚で「見て」「聞いて」「モノ申す」存在でありたいものです。









 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫


 和奏は今月、11歳の誕生日を迎えます。小学校高学年の雰囲気が漂っております。観察眼と文章表現力が一段と進んでいるようです。8月に中日本氷糖(株)の工場見学に行った折の感想文が「夏休みジュニア特派員最優秀記事発表」というタイトルで毎日新聞に掲載されました。


 二人だけで電車で行き来することが普通になってきております。進歩というのはこういうことなんでしょうか。和奏から手紙をもらいました。念のため、帰りの乗車の際に千円を渡したのですが、本人としては「借りた」という感覚でした。「返します」という便りとともに、発表会欠席のお詫びのしるしとして、おやつを5個に奮発したところ大層喜んでくれました。普段は3個と決めていましたのでインパクト!があったようです。こんなのどかなやり取りが永遠に続くことは無理にしてもせめて小学生の間は続いて欲しいと真剣に!?願っております。


 一方、先月、6歳の誕生日を迎えた遼真クンにじいじは手紙を書きました。そのさわり部分を紹介します。『先日の保育園での敬老会、初めての体験でしたが、とっても楽しかったですよ。遼真くんが、はにかみながら、じいじに手を振って喜びを表現してくれました。成長したなー、という実感と、本当に「じいじが好きだよ!」という気持ちが伝わってきて、じいじはとても幸せでした。ピアニカも上手に弾けました。最後にじいじの肩をトントンたたいてくれて、とても気持ちがよかったです・・・』というものです(原文は全てひらがなでしたが)。




(平成29年10月1日  所長 橋本)   






                                


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