橋本博孔税務会計事務所

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平成30年12月号



 トピックス 〜年末調整の留意点〜


 平成30年分の年末調整における配偶者控除及び配偶者特別控除の取扱いが変更されました。


 これに伴い従来の「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」が「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2種類の様式に分かれました。


 今回は、年末調整の変更点についての留意点をお届けします。


 詳しくは当事務所にご相談ください。




 〔T〕配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正

 

1.所得者本人の合計所得金額区分により配偶者控除等の控除の限度額が下記の通りに変更

 (1)900万円以下  38万円(48万円)
 (2)900万円超〜 950万円以下  26万円(32万円)
 (3)950万円超〜1000万円以下  13万円(16万円)
 (4)1000万円超  控除等は受けられません。

 ( )内は老人控除対象配偶者に該当する場合の控除額



2.配偶者の合計所得金額区分により上記控除額が変更
 
   【配偶者控除額】 
    * 合計所得金額 38万円以下
      上記1(1)(3)の区分により
      (1)38万円(48万円)(2)26万円(32万円)(3)13万円(16万円)が控除

 老人控除対象配偶者に該当する場合には各( )内の控除額となります。
 
    【配偶者特別控除額】
    * 合計所得金額が38万円超〜85万円以下
      上記1(1)(3)の区分により 38万円、26万円、13万円が控除
    * 合計所得金額が85万円超〜90万円以下
      上記1(1)(3)の区分により 36万円、24万円、12万円が控除
    * 合計所得金額が90万円超〜95万円以下
      上記1(1)(3)の区分により 31万円、21万円、11万円が控除
    以下合計所得金額が95万円超から123万円以下の範囲において6段階の所得区分に分かれ
控除額が上記1(1)(3)の区分により21万円〜1万円の控除額となります。

 
(注)1 所得者本人の合計所得金額が1000万円を超える場合には、配偶者控除及び配偶者特別控除の適用を受けることはできません。
(注)2 夫婦の双方がお互いに配偶者特別控除の適用を受けることはできませんので、いずれか一方の配偶者しか、この控除を受けることはできません。
(注)3  【所得金額】 にて判定しますので、【収入金額】ではありません。
     例) 給与所得のみですと、900万円以下は1,120万円以下となります。





 〔U〕各種申告書等の様式の変更

 

 1.「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2種類の様式に分かれました。
 2.源泉徴収簿の様式の変更
   「配偶者特別控除欄」「配偶者(特別)控除額」へ記載が変更されました。
 3.給与所得者の扶養控除等申告書等の様式の変更
   「控除対象配偶者」「源泉控除対象配偶者」へ記載が変更されました。









所長のつぶやき・・・・・・


 今年も最後の1ヶ月となりました。あっという間という感覚もありますが、この一年、健康で年末を迎えられることに改めて感謝したい心境です。10月は大荒れの天候でしたが、先月は暖かくて穏やかな日々が続きありがたかったです。


 年末にかけてまだ何が起きるか、予測がつきませんが、内外共に天候以上に大荒れの一年でもありました。最近の話題では、何といっても日産自動車の「ゴーンショック」でしょう。


 ゴーン氏は2000年当時、倒産一歩手前?まで追い詰められていた日産にフランスのルノーから派遣され、功罪はともかく結果的には見事にV字回復をやってのけました。「コストカッター」という異名を持ち、日本的慣行であった、系列取引を徹底的に破壊し、虎の子の有力工場も再建に寄与しないと判断すれば躊躇せず売却するという、日本人経営者ではとてもなしえない荒療治を敢行しました。


 流石!と感心させられたのは、まずは徹底的にウミを出し切り5000億円を超える赤字を計上して会社の内外に大きな衝撃を与え、翌年以降には特別利益を含めて大幅な黒字を計上するという華麗なパフォーマンスを見せてくれました。赤字が大きければ大きいほど、直後の黒字の成果が輝いて見えます。その後、三菱自動車を加えたルノー、日産の三社でCEOを務め、10年以上に亘って絶対権力者として君臨してきました。


 今回の東京地検特捜部による逮捕の直接的要因は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)という形式犯です。過去5年間で毎年の役員報酬が約10億円という報告にも拘らず、この他に、将来退任後の報酬として更に1年で10億、合計50億円が支払われるということの記載が漏れていたとして逮捕されたのでした。プライベートジェット機が羽田に降り立った直後に逮捕されました!入念に半年、一年前から会社内部の関係者から本格的な「司法取引」も活用して収集した情報を基に、容疑を固めた上での逮捕劇でした。サスペンスドラマも顔負け?といったところです。今後はフランス政府も巻き込み日産の経営の舵取り、資本構成の見直し等々の議論に加え、日本とフランスのみならず世界の貿易・経済にも大きな影響が及ぶことでしょう。


 税務申告といった観点からも興味深いものがあります。金融商品取引法とは違って、将来の約束された報酬部分を契約時点で認定課税することは困難でしょう。ただし、現実に支給される時の金額の妥当性に関しては税務当局としては関心を寄せるものと思われます。年俸が年末ジャンボ宝くじ並みの10億円という点が過大報酬に該当しないかどうかも気になるところではあります。


 他にも、定款或いは株主総会等で決議された範囲を超えて支給されますと、金額の妥当性以前の問題として過大役員報酬として否認の対象になりますので、この点から言っても現時点での支給は無いとせざるを得ないのではないでしょうか。むしろ、今後明らかにされるであろう、世界各地に所在する超豪華社宅?に対する認定課税や親族を含めた私的支出や私物化に対する業務上横領(刑法)ないしは取締役の特別背任(会社法)といったところも議論の対象になることでしょう。


 とはいえ、ゴーン氏は日本に住所を有さない、非居住者でしょうから、国内法がストレートに適用されることの困難さも見えております。しかも、弁護人を務めるのが、かつての東京地検特捜部のエースと、役者がそろっております。野次馬的にも税務的にも大いに注目していきたいところです。










 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫


 先月、二人が通う小学校で作品展が開催されました。残念ながら、小生は見る機会がありませんでした。早速、娘に頼んで、スマホにて作品内容を転送してもらいました。和奏は菱川師宣の「見返り美人図」の模写でした。水彩絵の具に加え、水を弾き色が鮮やかになるという利点を活かしてクレヨンも使いながら、細やかなところも表現できていました。


 一方、遼真は乗ってみたい乗り物というテーマで、アイスクリームのロケット!?を描いていました。それぞれの個性が発揮された作品になっていました。近いうちに、我が家のピアノの上に飾られることになっております。




(平成30年12月3日  所長 橋本)   






                                


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