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橋本博孔税務会計事務所 〒453−0801 名古屋市中村区太閤3丁目3番12号 平野ビル3階 Tel: 052-451-8555 Fax: 052-451-8551 |
平成30年12月号 |
トピックス 〜年末調整の留意点〜
所長のつぶやき・・・・・・ 今年も最後の1ヶ月となりました。あっという間という感覚もありますが、この一年、健康で年末を迎えられることに改めて感謝したい心境です。10月は大荒れの天候でしたが、先月は暖かくて穏やかな日々が続きありがたかったです。 年末にかけてまだ何が起きるか、予測がつきませんが、内外共に天候以上に大荒れの一年でもありました。最近の話題では、何といっても日産自動車の「ゴーンショック」でしょう。 ゴーン氏は2000年当時、倒産一歩手前?まで追い詰められていた日産にフランスのルノーから派遣され、功罪はともかく結果的には見事にV字回復をやってのけました。「コストカッター」という異名を持ち、日本的慣行であった、系列取引を徹底的に破壊し、虎の子の有力工場も再建に寄与しないと判断すれば躊躇せず売却するという、日本人経営者ではとてもなしえない荒療治を敢行しました。 流石!と感心させられたのは、まずは徹底的にウミを出し切り5000億円を超える赤字を計上して会社の内外に大きな衝撃を与え、翌年以降には特別利益を含めて大幅な黒字を計上するという華麗なパフォーマンスを見せてくれました。赤字が大きければ大きいほど、直後の黒字の成果が輝いて見えます。その後、三菱自動車を加えたルノー、日産の三社でCEOを務め、10年以上に亘って絶対権力者として君臨してきました。 今回の東京地検特捜部による逮捕の直接的要因は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)という形式犯です。過去5年間で毎年の役員報酬が約10億円という報告にも拘らず、この他に、将来退任後の報酬として更に1年で10億、合計50億円が支払われるということの記載が漏れていたとして逮捕されたのでした。プライベートジェット機が羽田に降り立った直後に逮捕されました!入念に半年、一年前から会社内部の関係者から本格的な「司法取引」も活用して収集した情報を基に、容疑を固めた上での逮捕劇でした。サスペンスドラマも顔負け?といったところです。今後はフランス政府も巻き込み日産の経営の舵取り、資本構成の見直し等々の議論に加え、日本とフランスのみならず世界の貿易・経済にも大きな影響が及ぶことでしょう。 税務申告といった観点からも興味深いものがあります。金融商品取引法とは違って、将来の約束された報酬部分を契約時点で認定課税することは困難でしょう。ただし、現実に支給される時の金額の妥当性に関しては税務当局としては関心を寄せるものと思われます。年俸が年末ジャンボ宝くじ並みの10億円という点が過大報酬に該当しないかどうかも気になるところではあります。 他にも、定款或いは株主総会等で決議された範囲を超えて支給されますと、金額の妥当性以前の問題として過大役員報酬として否認の対象になりますので、この点から言っても現時点での支給は無いとせざるを得ないのではないでしょうか。むしろ、今後明らかにされるであろう、世界各地に所在する超豪華社宅?に対する認定課税や親族を含めた私的支出や私物化に対する業務上横領(刑法)ないしは取締役の特別背任(会社法)といったところも議論の対象になることでしょう。 とはいえ、ゴーン氏は日本に住所を有さない、非居住者でしょうから、国内法がストレートに適用されることの困難さも見えております。しかも、弁護人を務めるのが、かつての東京地検特捜部のエースと、役者がそろっております。野次馬的にも税務的にも大いに注目していきたいところです。 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫ 先月、二人が通う小学校で作品展が開催されました。残念ながら、小生は見る機会がありませんでした。早速、娘に頼んで、スマホにて作品内容を転送してもらいました。和奏は菱川師宣の「見返り美人図」の模写でした。水彩絵の具に加え、水を弾き色が鮮やかになるという利点を活かしてクレヨンも使いながら、細やかなところも表現できていました。 一方、遼真は乗ってみたい乗り物というテーマで、アイスクリームのロケット!?を描いていました。それぞれの個性が発揮された作品になっていました。近いうちに、我が家のピアノの上に飾られることになっております。 (平成30年12月3日 所長 橋本) |