橋本博孔税務会計事務所

453−0801 名古屋市中村区太閤3丁目3番12号 平野ビル3階

Tel: 052-451-8555  Fax: 052-451-8551

Homepage:  http://www.aichi-iic.or.jp/co/hasimoto-tax/

令和元年5月号



 トピックス 〜消費税の軽減税率制度について ≪第3弾≫〜


 事務所通信NO.257、258でお伝えしたように、令和元年10月1日より消費税率10%への引き上げにあわせて軽減税率制度を導入することが決定しています。


 この軽減税率制度は、税負担の逆進性(所得が小さいほど税負担が重くなる)を弱める観点から、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」といった生活必需品については軽減税率8%(うち、地方消費税1.76%)を適用するというものです。


 今回は、飲食料品の軽減税率(8%)と標準税率(10%)の具体例を列挙します。また、定期購読契約による新聞の譲渡についてご案内します。


 詳しくは当事務所にご相談ください。




 1.飲食料品の譲渡

 
 
「軽減税率」   「標準税率」
 ミネラルウォーターなどの飲料水  ⇔  水道水
 食用として販売される塩    工業用として販売される塩
化粧品メーカーが購入する食品添加物
(食品衛生法)
   賞味期限切れの「食品」を廃棄するための譲渡
 医薬品等に該当しない栄養ドリンク
・健康食品、特定保健用食品
   「医薬品」「医薬部外品」に該当する栄養ドリンク
・健康食品
 ノンアルコールビール    ビール、発泡酒(アルコール度数が1度以上)
 日本酒を製造するための米    日本酒
 甘酒(アルコール度数が1度未満)    「食品」の原材料となるワイン(酒税法の酒類)
 牛丼屋・ハンバーガー店のテイクアウト    牛丼屋・ハンバーガー店での「店内飲食」
 そば屋の出前    そば屋での「店内飲食」
 屋台での軽食(テーブル、椅子等の飲食設備がない場合)    屋台での軽食(テーブル、椅子、カウンター等の飲食設備で飲食させる)
 コンビニの弁当・惣菜(イートイン・コーナーのある場合であっても、持帰りが可能な状態で販売されイートインの申し出がない場合    コンビニのイートイン・コーナーでの飲食を前提に提供される飲食料品
トレイに載せて座席まで運ばれるもの
返却の必要がある食器に盛られたもの
 学校給食、老人ホーム等での食事提供    学生食堂、社員食堂、
 食品と食品以外が入った福袋(税抜1万円以下、食品の割合が2/3以上)    食品と食品以外が入った福袋(税抜1万円を超えるか食品の割合が2/3未満)
 食品の輸入、輸入した食品の販売    輸入した食品を飼料として販売



 2.定期購読契約による新聞の譲渡

 

「定期購読契約が締結された新聞(一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する1週に2回以上発行する新聞に限る。)の譲渡」は、軽減税率の対象です。一般紙、スポーツ紙、業界紙、政党機関紙、全国紙、地方紙、英字紙などの区別はなく、性風俗の記事を掲載しているかどうかの区別もありません。


これらの新聞が、定期購読である場合には8%の軽減税率が適用され、駅やコンビニでバラ売りされる場合には10%の標準税率が適用されることになります。


新聞の電子版は、新聞に掲載された情報をインターネットを通じて提供するサービスであり、「電気通信利用役務の提供」に該当します。したがって、「新聞の譲渡」ではありませんから、軽減税率の対象になりません。









所長のつぶやき・・・・・・


 新しい令和の時代がスタートしました。


 長い連休をいかが過ごされましたか。前半はぐずついたり、寒暖の差が激しかったものの、後半は晴天に恵まれ、正にゴールデンウイークの名に恥じない10日間でした。


 小生は旅行に出かけることもなく、のんびりと過ごすことができました。年末年始の慌ただしさもなく、この10連休は一日一日がゆっくりと流れていました。孫たちは関東方面を縦断するという冒険旅行?にお出かけのため、夫婦二人だけの休日でした。


 何といってもこの間のメインイベントは平成から令和への代替わり、天皇陛下の退位と即位を巡る様々な行事でした。やや過剰ともいえる、お祭り騒ぎ的な要素がありましたが。昭和天皇の崩御に伴う昭和から平成への代替わりの時は華美なことを抑え、自粛ムードが事実上押し付けられていましたが、生前退位という近代稀にみる代替わりにおいては、皇居や「令和」の出典である万葉集ゆかりの地を始めとして全国各地では心からの称賛と歓迎ムードに包まれていました。


 明治憲法下、天皇は神聖にして侵すべからざる存在でしたが、敗戦を機に、主権在民を高らかに謳う日本国憲法では「日本国と日本国民統合の象徴」であって、「主権の存する日本国民の総意」に基く存在です。この「象徴天皇制」は日本でも世界でもかつて経験したことの無い、未知との遭遇とも言えました。「君臨すれども統治せず」といった概念とも違う異次元のものと評することができます。


 昭和天皇は戦前では現人神(あらひとがみ)であったものが、戦後の「人間宣言」を経て、象徴天皇を模索していました。これに対して、平成時代の天皇は即位の時から象徴天皇であり、戦争への痛切な反省の下、沖縄を起点として全国各地を戦没者慰霊の念で精力的に訪問され、海外でも激戦地で慰霊の誠を捧げる行脚を皇后陛下共々、自らの使命として実践してこられました。非戦の誓いと「国民とともに、国民に寄り添う」姿勢は.一貫して変わらず、象徴天皇制としての内実を盤石にしております。この流れは令和の天皇もしっかりと受け継いでくれることでしょう。


 5月3日は憲法記念日でした。憲法第1条の象徴天皇制と第9条の戦争放棄は一対不可分であるとされています。連合国軍総司令部(GHQ)は封建制の廃止を加えた3項目を敗戦後の日本再生の基本的指針として定め、日本の軍国主義を徹底的に排するとともに、占領統治体制への抵抗を除去して円滑な実施を図りました。その意味では、天皇の戦争責任を棚上げして、恒久平和と福祉国家を重視した日本の戦後の再建には象徴天皇制が決定的な役割を果たしたということができます。


 日本人のアイデンティティ、民族性に深く関わる天皇制ですが、30年間の平成時代の天皇陛下の実践的な行動と相俟って今後も「象徴天皇制」として揺るぎないものとして確立していくのではないでしょうか。










 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫


 中学生になった和奏にお祝い金を贈ったところ、お礼の手紙が届きました。「お祝いありがとうございます。これは、自分の部屋に置く、自分専用のベッド代として使おうと思います。すごく楽しみです。初めて自分用の部屋ができるんだなと、期待に胸をおどらせています。・・・」嬉しい便りでした。


 遼真もお姉ちゃんの庇護はなくなったものの、すくすくと2年生の生活を楽しんでいるようです。今度はいつ会えるか、今から楽しみにしております。




(令和元年5月7日  所長 橋本)   






                                


戻る