橋本博孔税務会計事務所

453-0801 名古屋市中村区太閤3丁目3番12号 平野ビル3階

Tel: 052-451-8555  Fax: 052-451-8551

Homepage:  http://www.aichi-iic.or.jp/co/hasimoto-tax/

令和元年8月号



 トピックス ~時間外労働における「所定」と「法定」の違い~


 「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や「育児や介護との両立」など、働く方のニーズの多様化の状況に直面する中、働き過ぎを防ぎ「ワーク・ライフ・バランス」と「柔軟な働き方」を実現するため、2019年4月から「働き方改革」の措置が講じられています。


 この措置は、労働時間法制の見直しと雇用形態に関わらない公正な待遇の確保が柱となっています。今回の法改正の内容を理解するために、まず「時間外労働」と「休日労働」について、法律上の規定を正しく理解することが必要と考えられますので、ご案内します。


 詳しくは当事務所にご相談ください。




 (1) 時間外労働について、一般的な「残業」と法律上の「時間外労働」の違い

 

 いわゆる「残業」というと、会社の就業規則で定めた「所定労働時間」を超える時間のことを指すと考える方が多いのではないでしょうか。一方、法律上の「時間外労働」とは、労働基準法で定められた「法定労働時間」(1日8時間・1週40時間)を超える時間のことをいいます。


 例えば、始業時刻が9:00、休憩時間が12:00~13:00、終業時刻が17:00の会社であれば、所定労働時間は7時間となります。


 この場合に、9:00に始業し18:00に終業した労働者については、いわゆる「残業」は1時間になりますが、法律上の「時間外労働」は無しとなります。ただし、残業手当の算定基準を「所定労働時間」を超える時間とするか、「法定労働時間」を超えるかとするかは、労使の定めによって決まります。
(要は定め方がポイントとなります。)




 (2) 休日労働についての注意点

 

 いわゆる休日労働というと、会社で定める「所定」休日に労働した時間と考える方が多いのではないでしょうか。一方、法律上の休日労働とは、労働基準法で定められた「法定」休日に労働した時間のことをいいます。


 労働基準法では原則として、使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回休日を与えなければならないとされています。このため、「法定」休日とは、1週間につき1日の休日のことをいいます。


 例えば、毎週土曜・日曜を所定休日、そのうち日曜を法定休日と定めている事業所であれば、土曜日に労働した時間は「法定」休日労働には該当せず、日曜日に労働した時間が「法定」休日労働となります。割増賃金の算定にも影響しますので、ご留意下さい。


 月曜~土曜までに労働した時間が40時間を超えていた場合には、超えた時間は「時間外労働」にカウントされるので、注意が必要です。




 (3) 36(サブロク)協定とは

 

 正式には「時間外・休日労働に関する協定届」といいます。労働基準法第36条により、会社は法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える時間外労働及び休日勤務などを命じる場合、労組などと書面による協定を結び労働基準監督署に届け出ることが義務付けられているため、一般的に「36協定」という名称で呼ばれています。


  

  出典:働き方改革研究所








所長のつぶやき・・・・・・


 暑中お見舞い申し上げます


 令和最初の国政選挙となった参議院選挙も結果が明らかになり、最大公約数的な評価としては①自公の与党が安定的に過半数を確保したこと②憲法改正勢力(勿論、その内容・濃淡はありますが)で2/3を確保するに至らなかった、という2点でしょうか。安倍総理の笑みも快心のものにはならなかったようです。


 ただし、より本質的な問題点としては、投票率が50%を切り、戦後2番目の48.8%という低い投票率であったことです。折角、若者への参政権を広げるべく、選挙権年齢を20歳から18歳へ引き下げたものの、20歳以下の投票率はもっと低い結果となっております。前号でも紹介したように、香港における空前のデモの盛り上がりと比較すると、その差は歴然としております。


 一般に、北欧諸国では国政選挙等への投票率は圧倒的に高く、80%を常に上回っているようです。とりわけ、若者の参加意識は特筆すべきものとなっております。彼らに言わせると、投票に参加するのは政治に関心が高いからではなく、民主主義の最初の段階に過ぎない、という感覚です。学校、地域、市政、国政と様々な段階において、自らの意見を堂々と述べているようです。


 また、租税負担率の高さに関しても、受益と負担の関係を早くから議論し、ある意味納得しているから高齢者と若者との分断現象に繋がらないようです。これに対して、日本では、本来若者が身につけるべき政治センスを学ぶ・獲得する、という訓練の場が全くと言っていいほど閉ざされているのが現状です。中学、高校を通じて、社会科では時間切れ!?で現代史の授業が省略されてしまっています。文科省は過度なほど、教員に対して、政治的中立を強要して、政治信条に絡む話題を授業から遠ざけさせて来ました。


 青年期に政治的議論を一切させない、しない環境で育てられた若者が、「18歳になりました。さあ、一票を投じましょう」といわれても戸惑うばかりです。中学・高校で基本的な躾として日本と世界を取り巻く政治環境とともに、各人の世界観を養成すべく「政治」を身近な存在として議論することが大切です。


 様々な政治事象に対して、複眼的な思考方法を身につけるためには、『ディベート』方式がもっとも優れた学習方式ではないかと考えます。常に一方的な意見に終始するのではなく、攻守ところを替えて賛成意見、反対意見を同時に考えさせる方法です。こうすれば、一方に偏った意見というものが自ずと収斂していくのではないでしょうか。


 もう一つ、今回の選挙で注目されたのは、山本太郎氏が代表を務める「れいわ新選組」の躍進ぶりです。「超」がつく身体障害者の2人を特定枠で擁立し、自らは3番手という圧倒的に不利な順位で選挙に臨みました。個人票として100万票近い得票を得たものの、当選するには至りませんでした。自らの当選枠をさらりと譲るという大胆さ!に加え、わずか3ヶ月前に旗揚げし、「消費税廃止」という思い切った公約を掲げての選挙活動でした。今回の躍進により、政党要件をクリアしました。遠からずやってくる衆議院選挙でも台風の目となることでしょう。













 ≪ 和奏わかな・遼真りょうま通信 ≫


 二人とも元気に夏休みを過ごしております。和奏は、中学生となり、部活にいい汗をかいているようです。まだヴァイオリンの音色を聴く機会はありませんが、お盆あたりには実現するかも知れません。通知表も、まずまず?!といったところでしょうか。


 遼真の方は、夏休み中の一定部分を我が家で過ごすことになりそうで、プール三昧となるようです。水泳教室に入れて、きちんとしたフォームを身につけさせたいものです。身長より深いプールも怖がることなく、嬉々として潜って遊んでおります。ボルダリングにも挑戦している様を見ると、意外と握力が強くなっていることに驚かされます。夏休み中にたくましく成長するよう、願っております。




(令和元年8月1日  所長 橋本)   






                                


戻る