橋本博孔税務会計事務所

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平成17年8月1日



 トピックス 〜税調「個人所得課税」等の抜本改革を提言〜


 政府税制調査会は、非営利法人及び寄付金税制・個人所得課税それぞれについて、中間報告を取りまとめ公表しました。その中から、個人所得課税についてどのような内容の提言がなされているか簡単にふれたいと思います。


 現行の我が国の個人所得課税は、諸外国に比べ税負担の水準が低くなっており、「あるべき税制」に向けた改正で、配偶者特別控除の廃止や定率減税の縮減等を行ってもなお、「歪み・不公平」が残っているとして、これらを是正し、「公平・中立・簡素」な税制を構築するため、抜本的な見直しが必要であるとしています。


 以下の問題点を具体的に指摘し、見直すべき点を提言する形で、個別論点が列挙されています。


(1)

所得の種類と税負担のあり方



所得区分
給与所得 給与所得控除を見直し(縮小)、特定支出控除(給与所得者の必要経費のことで、その金額は限定的なものとなっている。)の対象範囲の拡大
退職所得 退職所得控除額及び2分の1課税の見直し
事業所得 実額の必要経費は正しい記帳に基づく場合のみ認め、そうでない場合は概算控除のみ認める仕組みの導入
譲渡所得 土地建物以外の資産の譲渡益についても分離課税とする取扱いの導入
不動産所得 独立した所得区分としては廃止
一時所得 雑所得と統合することを検討
雑所得 公的年金等については独立した所得区分を。又、資産運用関連の雑所得については、分離課税に一本化することを検討 


金融所得課税の一体化

利子、配当、株式譲渡益など様々な法定の所得区分に属する金融資産の運用から生じる所得については、金融所得として一体化し、課税する仕組みが検討されている。



(2)

世帯構成と税負担のあり方



配偶者との関係 配偶者控除の縮小(廃止を含む)
特定扶養親族 人的控除の簡素化・集約化の観点から廃止を含め見直しを検討



(3)

課税ベースと税率構造のあり方



実効税率の水準 課税ベースや税率構造の見直しにより引き上げていくことが課題
課税ベース 非課税所得、各種控除のあり方の議論
税率構造 最高税率は、個人住民税と合わせて50%という現在の水準が妥当




 これらの見直しは、「できるところから数年かけて段階的に行う」としていますが、平成18年度の税制改正で一部導入する可能性にも言及しています。

 いろいろともっともらしい理由が並べられていますが、要するに財政再建は大幅増税で賄うという基本線が透けて見えます。今後の動向に注視していきたいと思います。



所長のつぶやき・・・・・・

 暑中お見舞い申し上げます。


 はやばやと夏台風が東海地方にも接近しましたが、幸いにして上陸することなく、無事通過しました。


 当日は東京で連合会の会長選があり、こちらも一波乱あるかと心配(一部には期待?)されましたが、現職会長が五選を果たしました。多選・高齢批判が底流にあるものの業界が全体として高齢化しておりインパクトが弱いのかもしれません。だからというのもおこがましいのですが、小生も58才とはいえ、まだまだ‘中堅どころ’といった感じです。


 それはそうと、先日の税理士会の統一研修会の折り、講師(中里東京大学法学部教授)のお話によればアメリカの大学では定年制が廃止されて久しいとのことです。日本では国立大学も独立行政法人化され、私学との競合が強まり、象牙の塔でもリストラが勢いを増す雰囲気の中で、定年制が強化されるのかどうか、興味深く拝聴してきました。なにせ、あらゆる分野でアメリカの現在が10年後の日本の姿ともいわれているのですから。


 まもなく、今年も8月15日がやってきます。丁度、戦後60年となります。原爆の悲惨さを含め、戦争体験を語り継ぐ人達も圧倒的に高齢化しており、風化させないためにも、今日の繁栄を築くとともに享受している我々の年代が各々の立場で「平和のありがたみ」を次世代にしっかりとバトンタッチしていかなければと、殊勝にも考えております。


 先日も福岡に嫁いでいる姪が連れてきた3才と4才になる子供達が我が家の仏壇の前で無心に手を掌わせているのを見ていると無性に可愛く、孫ができたらこんな心境になるのかなと思いつつ、不戦の誓いとともに平和をおびやかす、どんなささいな動きに対しても敏感であらねばと心を新たにしている次第です。


ところで、戦後ベビ−ブ−ムの団塊世代もいよいよ2〜3年後には大量に定年を迎えます。ハッピ−リタイアとなるのか、年金不安や老・老介護のきびしい冬の時代に突入するのか予断を許しません。ともあれ、健康的な汗をかきながらこの夏も暑さに負けず、ストレスも上手に発散しながら、プラス思考で乗り切っていきたいものです。

(所長 橋本)   


                





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