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07年1月号 |
私達のまわりには いろいろな物質が存在します。 |
硬い金属もあれば、水のような物質もあります。 |
また、ミトクゴムで製造しているゴムのように ぐにゃぐにゃした物質もあります。 |
多数の原子が結合して分子を作ります。この分子が、たくさん集まって長い鎖状の化合物を作ります。 |
通常こうした分子量が1万以上の物質を高分子といい、ゴムはこの高分子の仲間です。 |
高分子はゴムやプラスチックのような有機化合物だけでなく、雲母やダイヤモンドなど無機化合物にも存在します。 |
それから、松やに(ロジン)のように天然に存在する高分子もあれば、 |
合成ゴムのように人工的に合成した高分子もあります。以下に種類を並べてみました。 |
天然高分子物質 | 無機 | 石綿、雲母、グラファイト、ダイヤモンドなど |
有機 | ゴム、セルロース、デンプン、タンパク質、核酸など | |
半合成高分子物質 (天然高分子物質より化学的に誘導されたもの) |
無機 | ガラス、セラミックなど |
有機 | 酢酸セルロース、硝酸セルロース、セルロイドなど | |
合成高分子物質 | 無機 | ポリホスホニトリルクロリド(無機性ゴム)、シリコーン、合成雲母など |
有機 | 熱可塑性樹脂→ナイロン、ポリエステルなど | |
熱硬化性樹脂→フェノール、メラミンなど |
■合成高分子は物性によって
合成樹脂 | 合成ゴム | 合成繊維 | に分類されます。 |
歴史的には,ホルムアルデヒドとフェノールから合成される
ベークライト樹脂(1907年特許)が最初の合成高分子と言われています。
■分子の形状から高分子を分類する。 |
線状高分子 | ポリエチレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステルなど |
分岐高分子 | アミロペクチン(モチ米の成分)、分岐ポリエチレンなど |
板状高分子 | グラフファイト、雲母、滑石 |
網目状高分子 | 加硫ゴム、メラミン樹脂、ベークライトなど |
■物質に外力を加えると大なり小なり変形します。外力にどう応答するかを示す
物理的性質で、以下の3つに分類されます。ゴムは粘弾性体に含まれます。
1:外力を加えると速やかに変形し、 除くとすぐに元に戻る物体 |
2:外力を除いても 元に戻らない物体 |
3:外力を加えた瞬間には弾性体の ように変形するが、外力を除くとじわじわと 元の形に戻ろうとする物体[応力緩和] |
弾性体 | 粘性体 | 粘弾性体 |
金属など | 空気、水など | 高分子物質 |
弾性変形はバネを引き伸ばした場合と同じで、変形した量(ひずみ)は
外力に比例します。
外力を外力のかかる断面積で割った力(応力=F)で示し、変形した量を元の長さで割った単位量当たりの
変化量(ひずみ=)で示すと、
比例定数(E)は、物質の引っ張りや圧縮に対する強度を示す物質定数です。 伸長変形の場合、引張り弾性率またはヤング率といわれます。 単位は圧力と同じくパスカル(Pa,1Pa=1N/)です。 |
代表的な材料の常温におけるヤング率(E)を以下に載せました。
ゴムのヤング率は加硫の程度に応じて0.1MPaから10MPaまで変化します。
材料 | E/MPa | 材料 | E/MPa |
ダイヤモンド | 1.2 | 木材 | 3 |
ポリベンゾオキサゾール | 4.8 | クモの巣(牽引糸) | 1 |
炭素繊維 | 3.9 | ナイロン | 3 |
スチール繊維 | 2.0 | ポリ塩化ビニル | 2.5 |
チタン | 1.2 | ポリプロピレン | 1.6 |
ガラス繊維 | 7.0 | ポリエチレン(高密度) | 1.0 |
骨 | 2 | ゴム | ≒7 |
参考資料:「改訂 高分子化学入門」著者 蒲池幹治
大阪市立大学インターネット講座『時代を支える高分子材料の世界』第1回テキスト
★ヤング率の面白HPを発見しました。クイズが楽しいです。 |
http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/ewing/
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■IUPAC[国際純正応用化学連合]によるポリマー(polymer)の定義
一種または数種の原子あるいは原子団(これを構成単位とよぶ)が、互いに数多く繰り返し連結 していることを特徴とする分子からなる物質をポリマーという、ポリマー分子における構成単位の 繰返し回数は非常に多いので、ポリマーのある一連の性質は1個緒あるいは数個の構成単位 の増減によって大きく変化しない。 |
従来、名詞として使われるポリマー(polymer)という語の意味は曖昧であった。 すなわち、一般に物質としての“ポリマー”および分子としての“ポリマー”の 両方を表すのに用いられている。 今後は、高分子(macromolecule)を個々の分子に対して用いる一方、 ポリマーを高分子の集合体としての物質を表すのに用いることにする。 ポリマーという語は一般に容認されている用法にしたがって、形容詞としても用いることもできる *(たとえば、ポリマーブレンド、ポリマー分子など)。 |
出典:http://www.spsj.or.jp/c19/iupac/Recommendations/glossary36.html
■各種用語
CAS登録番号 |
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定義 | アメリカ化学会の一部門である世界最大級の 化学情報サービス機関(Chemical Abstructs Service:CAS)が、 化学物質に付与している番号。 CAS登録番号は、ハイフンにより3つの部分に分かれており、 一番左の部分は6桁までの数字、真中の部分は2桁の数字、 一番右の部分はチェック数字と呼ばれる1桁の数字で、 各部分の数字には化学的意味合いはない。 例:ホルムアルデヒド(50-00-0)、ベンゼン(71-43-2)、トルエン(108-88-3)。 2006年8月2日現在、約2,920万の有機・無機化学物質に、 また、約5,771万の蛋白質・核酸に番号が付与されている。 |
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CASに関する日本語サイトはこちらが便利です。http://www.cas-japan.jp/faq.html |
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定義 | 欧州委員会が作成している既存化学物質のデータベース・システム。 1993年3月に策定された理事会規則で化学物質の 生産量・輸入量に応じて製造・輸入会社が保有している 毒性データを決められた電子フォーマットで提出することが 義務づけられたが、IUCLIDはそれらのデータをデーターベース化し、 情報の集積、管理などを行うために開発されたシステムで、 欧州における化学物質の登録、OECDにおけるHPVの初期評価(SIDS)などに利用されている。 |
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定義 | 欧州の電気電子機器に含まれる特定有害物の使用制限に関する指令。 2006年7月1日から特定有害物質に指定した 鉛、水銀、カドミウム、6価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、 ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)の有害物質を 電気電子機器に使用することを制限する指令で、 2003年2月13日公布された。対象となる電気電子機器は、 原則として電池を含む電源で動く全ての機器で範囲が広い。 |
出典:独立行政法人 製品評価技術基盤機構
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07年4月号 |
名古屋市瑞穂区を流れる山崎川は 市民の桜の名所として親しまれています。 |
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夜はライトアップもされます。 | ||
ところどころ、堤の下まで行けるよう整備されていて 家族連れやアベックが | ||
満開の桜と川の流れを堪能しています。 | ||
周りは閑静な住宅街なので酒宴は無く、屋台も出ていません。 | ||
焼き芋屋の車が止まっていて 散歩する人が立ち寄っていました。 | ||
瑞穂運動場から萩山橋あたりがお奨めです。 | ||
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待ちに待った 春到来です! |
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07年6月号 |
愛知県知立市(ちりゅう)にある知立公園(知立神社外苑)知立市西町神田12で | |||||||
毎年花しょうぶ祭りが開かれます。 | |||||||
5月25日から6月20日の間、約3万株の色とりどりな花菖蒲が訪れた人を楽しませてくれます。 | |||||||
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07年11月号 |
分子の名前の付け方は、IUPAC【あいゆーぱっく】(国際純正応用化学連合)の | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
命名法に従っています。基本の数詞はラテン語です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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引用:有機化学のしくみ 潟iツメ社 著者:齋藤勝裕
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07年12月号 |
酸性と塩基性 |
ブレンシュテッド・ローリーの定義によると 酸とはH+を出すもの、 |
塩基はH+を受け取るものということになる。 |
酸が多ければH+を出すものが多いのだから、溶液中のH+も多くなる。 |
反対に塩基が多ければ、H+を受け取るものが多いのだから、溶液中のH+は |
少なくなる。すなわち、酸性とはH+の多い状態、塩基性とはH+の少ない状態 |
ということになる。 |
H+の濃度を表わす数値がpH(ペーハー「ドイツ語」)といわれる水素イオン指数である。 |
水素イオン濃度の対数にマイナスをつけたものである。 |
0・1=10−1の対数はー1であり、これにマイナスをつければ1になる。 |
0・001=10−3の対数はー3であり、これにマイナスをつければ3になる。 |
すなわちpHが大きいと濃度は小さくなる。 |
pHが小さいと強い酸性であり、pHが大きいと強い塩基性である。 |
pHは0から14まであり、中性は7である。 |
引用:「有機化学のしくみ」著者:齋藤勝裕
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