ゴム 成形 名古屋 愛知県 

ミトクゴムの面白館 05年12月号

JR名古屋駅のクリスマスイルミネーションを載せました。
皆さんのお近くにも きっと 綺麗なイルミネーションがいっぱいでしょうね。
素敵な12月を御迎えください。

12月に入り、名古屋は2度の大雪となりました。58年ぶりだそうです。
雪が降りますと市内の主要幹線道路は、高速道路から迂回して来る車で
あふれ、ほとんど動かない状態になってしまいます。

歩行者の方は、「アシモ」のような姿勢で歩けば 転倒しない学習が
できてきたように感じます。
ミトクゴムの面白館 05年11月号 

今月は、ゴムの力学的性質に関して 皆さんの方がお詳しいかもしれませんが、少し載せました。

◆S−S曲線 ゴムの力学的(機械的)性質を見るとき、S−S曲線を見ます。

引張応力(stressストレス)とひずみ(strainストレイン)を表す英語の頭文字をとって、S−S曲線と呼びます。
ゴムは大変デリケートな性質を持ち、次の3つの条件によって変化します。
S−S曲線から配合を工夫することもなされます。

材料条件 ゴムの種類、架橋状態、補強状態、充てん剤 S−S曲線の立ち上がりの度合いが、材料の変形のしにくさを表す。
カーボンブラック量が増えると急な立ち上がりになって、硬い性質になる。
使用条件 温度、引張り速度 同じゴムでも 引張る時の速度を早くすると、S−S曲線は早く立ち上がり、
ゆっくり引張ったときと比べて硬い材料のような性質を示す。
同じゴムでも、温度を下げるとS−S曲線は早く立ち上がって、
高温より硬い材料の性質を示す。
環境条件 酸素、オゾン、光、温度、湿度 環境劣化によって、
柔らかい性質に変わるものを軟化劣化⇒例:天然ゴム(熱軟化劣化)。
硬くなるものを硬化劣化⇒例:SBR(熱効果劣化)。

◆S−S曲線で高分子全体を分類すると以下のようになる。

軟かく弱い 高分子ゲルやチーズ状物質
硬くもろい ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル
硬く強い 高強度・高弾性率繊維(エンプラ系)
軟かく粘り強い ゴム、可塑化ポリ塩化ビニル
硬く粘り強い ナイロン、ポリエチレンテレフタレート
※ 応力とは 

物体に外から力を加えると、物体内に発生するのが応力。
応力は、力を断面積で割った値で表す。
力の単位はN(ニュートン)で、
応力の単位はPa(パスカル)。一般に断面積S(mm2)の棒に
力F(N)を加えて引張ったときに、
発生する引張応力は、=F(N)/S(mm2)=F/S(Pa)
※ ひずみとは

物体に力を加えて変形させる場合、変形した長さを
元の長さで割った値。
百分率で表すこともある。一般に長さLの棒を引張って、
凾kだけ伸ばした場合
には、ひずみは、=凾k/L  %で表すこともある。

参考資料:裳華房 「入門 高分子科学」他

ミトクゴムの面白館 05年10月号

愛知県には 現在の『漫才』の原点とも言える「尾張万歳」が残っています。
「尾張万歳」は、名古屋市東区の長母寺(ちょうぼじ)の僧、無住が寺の雑役をしていた村人に、
法華経をわかりやすく、歌えるものとして教えたのがその起こり(鎌倉時代)とされています。
やがて愛知県の知多地方に伝わり、平成8年には国の重要無形文化財に指定されました。

名古屋市博物館の10月のイベントで演じられたので アップしました。
赤い頭巾が 北川幸太郎 尾張万歳家元です。

万歳のあとに、博物館の人が この際ですから 何でも聞きたい事があったら、
聞いてみてください。とおっしゃられ、年配の女性が、
「昔は 正月に三河万歳が家々を回って来たが、これとは違うのか?」と質問されました。

三河地方の万歳は、神道系で、家の中にある神棚を清める為に家の中に入って演じられたもので、
一方の尾張万歳は、門付け(かどづけ)が主流で家の中には入らなかった。と違いを
いろいろ 解説くださいました。

この家元は、父親から 19歳の時に東京へ万歳の出稼ぎに行けと言われて始めたそうです。
当時は、若いので恥ずかしく 命令した父親を恨んだそうです。
元々「万歳」は、農家の冬の出稼ぎ収入だったようです。1月いっぱい 出かけると 
農家の4ヶ月分の現金収入に匹敵したそうです。
と言っても、一日に200軒から250軒の家を回ったそうです。
裏を返すと、万歳に出かけないと 農業だけでは 食っていけなかったと言う厳しい実情もわかりました。
今になってやっと、父親が 自分を崖から突き落としてくれてよかったと思えるようになった と話しておられました。
少し 考えさせられます。  

※現在 国内には、大和万歳・越前万歳・伊予万歳など幾つか残っています。


ミトクゴムの面白館 05年9月号

今回は、ゴルフボールのお話を載せました。

17世紀のイングランドでは、フェザリーボールが使われていました。
(径43〜46mm、35〜40g)

牛皮又は馬皮を球体にカットし、小さな穴だけを残して縫い合わせ、
その穴から煮立てて、湿らせた羽毛を錐の
ような鉄の棒で 
詰め込んだもので、羽毛の量は、シルクハット一杯分だそうです。
労働賃金が平均で週給7シリング
の時、このボールは4シリングもしたそうです。

これに代わって1845年登場したのが、
ガッタパーチャボール <ガッティボール>です。
マレー産の硬質ゴムのワンピースボールです。

続いて、1899年、米国で糸巻き
ボールの原型のハスケルボールが生まれました。
ガッティボールより 飛距離が20mも伸び大人気となりました。


やがて これに1901年凸形の野イチゴ模様ディンプルがつけられました。
1910年には、英国ダンロップから
凹形ディンプル模様の
ダンロップ65<オレンジスポット>が登場しました。

日本初のゴルフボールは、1901年

神戸ゴルフ倶楽部の始球式に使われたガッティボールです。
(145m〜160mの飛距離と推定されています。)


さて、現在のゴルフボールのコアには、弾性の高いブタジエンゴム
エラストマーを配合したものが使われています。

外側が硬く、内側が軟らかいという工夫がなされている物もあります。
また、最中心と最外層の中間にも 高反発な
シリコンエラストマーなどが利用されています。

3層のスリーピース、4層のフォーピースのカバー類は、デュポンの
開発した
高反発なアイオノマー樹脂から 適度な軟らかさがありスピンがかかりやすく、
打撃フィーリングの良い
ポリウレタンに主流が移っています。

ゴルフボールの飛距離は、インパクト時に得られる初期条件
(ボールの
初速、 スピン、打ち出し角)や打撃後の初期条件に起因する
空力特性、風などの環境条件によって決まるといわれています。

特にボールの弾道を決めるディンプル構造は、
飛距離を左右する要因の一つにもなります。


ご存知のように ディンプルは、空気抵抗を減らす為のものです。
一般的に ディンプルが大きく、深く、数が多いほど弾道が低くなる傾向にあるようで、
ディンプルの数より、ディンプル総容積を大きくすると弾道も低めになると
言われています。

ボールの重量が益すと慣性がつき よく飛びますし、ボールサイズ(直径)は
小さいほど飛距離が
伸びます。
残念ながら 新素材などによって 無制限に飛距離が伸びるのを防ぐ為に
以下の
ような ボールの規格が 4年に一回見直されて施行されています。

1977年に米国で
ポララボールが発売され 波紋を呼びました。
このボールは、ディンプルの深さを順に変えて帯状に配列し、
ある方向から打った場合に ミスショットしてもサイドスピンが修正されて、
まっすぐ飛ぶというボールでした。
1981年米国、英国ゴルフ協会は特殊な飛行特性ということで、
公式試合での使用を禁じました。
その為、ボールの対称性に対する規格が存在します。

ボールの選択は、自分のヘッドスピードにあったものが良く、
プロが使っているから ベストとは言えないようですね。

重量 1.62オンス(45.93g)以下
初速度 255fps以下 fps;feet per second
直径 1.68インチ(42.67mm)以上
標準総合飛距離 320ヤード以下・許容誤差:3ヤード
対称性 シームを水平と垂直にした2方向で打ち比べ、次の平均値の差が規定値以内。
キャリー差:4.0ヤード以内。フライトタイム差:0.4秒以内
04年より、試験時のスイングスピードが109mphから120mphに上り、
試験に用いられるクラブが特定メーカーのチタン製のものとなり、
初速はモニター装置によって測定されます。(温度は23±1℃)
2004年1月


引用文献:東海大学紀要工学部「ゴルフボールのディンプル数に対する飛翔特性と流れ」、 
特許庁総務部技術調査課技術動向班HP、 日本ゴム協会第78巻 第8号、
週刊ゴルフダイジェスト2002年9―10月号 
大西久光編「ゴルフボール」



ミトクゴムの面白館 05年7月号

名古屋のちょっとレトロな町並みをご紹介します。 

名古屋市西区の
四間道(しけみち)付近。
(名古屋城の西を流れる堀川沿い)
江戸時代、堀川の水運を利用した豪商(問屋)の
倉庫が立ち並んだ地区です。
尾張藩4代藩主の徳川吉通が、1700年の大火災後、
防火と防備の点から、堀川沿いにある商家の裏道幅を
4間に拡張し、東側を全部土蔵造りに定めました。
以後、四間道(しけみち)と呼ばれるようになりました。
名古屋独特、
屋根の上に
神様を祭った、
「屋根神様」。

祭神は
スサノウノ命が多い。
この四間道と直角に交わっている商店街が、
「円頓寺(えんどうじ)」商店街。
どこの地区にも見られるアーケード街です。
残念ながら 半数の店は、廃業しているようでした。
それでも七夕祭りの準備が着々と進んでいました。
手づくりの張りぼてもあります。
1パック105円の焼きそばの店は行列ができていました。
外人の一団がタムロしている訳のわからぬ衣料品店などもあります。
現代建築のビルが並ぶ名古屋駅から北東
徒歩で10分ほどの近距離にあります。

参考資料:「名古屋の史跡と文化財」泰文堂刊